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日本社会の見えざるレイシズムを可視化する

梁英聖
日本型ヘイトスピーチとは何か
社会を破壊するレイシズムの登場



2016年12月刊
四六判並製 314頁
定価 3000円+税
ISBN978-4-87714-468-5 C0036


●目次
●書評
●関連書

*「正誤表」


鮮高校生襲撃事件やチマチョゴリ事件など、戦後も間断なく続いてきたヘイトクライムは、ついに社会を破壊しかねない“ひどすぎる”ヘイトスピーチへと成長した。なぜ、嗤いながら「死ね、殺せ」と叫ぶといった特異な醜悪性を放つヘイトスピーチが日本で頻発するようになったのか。
在日コリアンを“難民化”した〈1952年体制〉、高度成長期に確立した日本型企業社会の差別構造等も俎上にのせつつ、“民主主義社会”日本が内包してきた〈レイシズム/不平等〉を可視化し、対策を探る。



〈著者〉

梁英聖 (リャン ヨンソン)

1982年東京生まれ。在日コリアン3世世代。
東京都立大学卒。現在一橋大学大学院言語社会研究科修士課程。研究テーマは在日コリアンへのレイシズム等。
2015年3月に立ちあげた、大学生・院生・若手研究者による調査・相談・教育を柱とするNGO「反レイシズム情報センター(ARIC)」(http://antiracism-info.com/)代表。
政治家レイシズムデータベース http://antiracism-info.com/database_home を運営している。




◆『日本型ヘイトスピーチとは何か』 目次◆

序章 戦後日本が初めて経験するレイシズムの危険性を前に

第1章 いま何が起きているのか――日本のヘイトスピーチの現状と特徴

・二〇一三年六月 東京・大久保にて 
・ひどすぎてありえない差別の登場 
・さまざまなタイプの物理的暴力
――街宣型・襲撃型・偶発的暴力 
・あらゆるマイノリティと民主主義の破壊 
・社会「運動」としてのヘイトスピーチ
・ヘイトスピーチのどこがどうひどいのか
――「見える」ひどさと「見えない」ひどさ
・反レイシズムというモノサシ(社会的規範)の必要性 

第2章 レイシズムとは何か、差別煽動とは何か 
        
――差別を「見える化」するために 

1 レイシズムとは何か――レイシズムの「見える化」 
2 差別煽動とは何か
――レイシズムの発展を見えるようにする 
3 マイノリティとしての在日コリアン
――レイシズムと差別煽動の不可視化がもたらすもの

第3章 実際に起きた在日コリアンへのレイシズム暴力事例

1 関東大震災時の朝鮮人虐殺(一九二三年九月~)
2 GHQ占領期の朝鮮人弾圧事件
(一九四五年八月~一九五二年) 
3 朝高生襲撃事件
(一九六〇年代~七〇年代) 
4 チマチョゴリ事件
(一九八〇年代~二〇〇〇年代前半) 
5 ヘイトスピーチ――在特会型レイシズム暴力
(二〇〇七年~現在) 

第4章 欧米先進諸国の反レイシズム政策・規範から
      日本のズレを可視化する 


1 人種差別撤廃条約型反レイシズム――国連と欧州(ドイツを除く)
2 ドイツ型反レイシズム 
3 米国型反レイシズム 
4 欧米先進諸国の反レイシズムと日本の現状 

第5章 なぜヘイトスピーチは頻発しつづけるのか?――三つの原因 

1 反レイシズム規範の欠如 
2 「上からの差別煽動」 
3 歴史否定 

第6章 ヘイトスピーチ、レイシズムをなくすために必要なこと 

1 反レイシズム規範の構築――反レイシズム1.0を日本でもつくること
2 反歴史否定規範の形成
3「上からの差別煽動」にどう対抗するか?
おわりに
――反レイシズムを超えて










書 評







●「月刊イオ」2017年5月号 より









●「人権と生活」44号(2017年6月) より










●「ふぇみん」 2017年4月15日号より










●季刊誌「kotoba」(集英社) 2017年春号より










●「東京新聞」 2017年2月26日より

http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2017022602000206.html









●「社会新報」 2017年3月1日より










●「出版ニュース」 2017年2月下旬号より
















◆関連書◆


 『ヘイトスピーチはどこまで規制できるか』
 LAZAK(在日コリアン弁護士協会) 編、板垣竜太、木村草太 ほか著

 『#鶴橋安寧―アンチ・ヘイト・クロニクル』 李信恵 著

 『友だちを助けるための国際人権法入門』 申惠丰 著

 『映画でみる移民/難民/レイシズム門』 中村一成 著

 『ロマ 「ジプシー」と呼ばないで』 金子マーティン 著

 『歌集 彷徨夢幻』 李 正子(イ・チョンジャ)

 『鳳仙花のうた』 李 正子(イ・チョンジャ) 著

 『歌集 沙果、林檎そして』 李 正子(イ・チョンジャ)

 『父とショパン』 崔 善愛(チェ・ソンエ) 著


 『歌集 一族の墓』 金 夏日(キム・ハイル)
  

 『あの壁まで』 黄 英治(ファン・ヨンチ) 著

 『記憶の火葬――在日を生きる―いまは、かつての〈戦前〉の地で』 黄 英治(ファン・ヨンチ) 著

 『秤にかけてはならない―日朝問題を考える座標軸』 徐 京植(ソ・キョンシク) 著

 『尹東柱全詩集 空と風と星と詩』 尹 東柱(ユン・ドンヂュ) 著/尹 一柱 編/伊吹郷 訳

 『生命の詩人・尹東柱――『空と風と星と詩』誕生の秘蹟』 多胡吉郎 著

 『羊の怒る時』 江馬 修 著