時代を超えて読みつがれるロングセラー

尹東柱(ユンドンヂュ)著  尹一柱(ユンイルジュ) 編/伊吹郷(いぶきごう)
尹東柱全詩集 空と風と星と詩

【品切】

1984年11月刊
四六判上製302頁
定価 2300円+税
ISBN978-4-87714-297-1

(現在第2版 2002年9月)


●目次
●書評
●関連書





ぬ日まで空を仰ぎ 一点の恥辱(はじ)なきことを――(序詞より)

植民地支配下の朝鮮で、また留学先の日本で、尹東柱は禁じられた母国語(朝鮮語)で詩を書き、「独立運動をした」として「治安維持法違反」で投獄され、1945年2月、福岡刑務所において27歳の若さで謎の獄中死をさせられた。
本書は、朝鮮民族が誇る青春と抵抗の詩人・尹東柱の全作品を初完訳するとともに、回想・年譜、特高・裁判記録、訳者の詳細な研究解説等を収録。朝鮮文学史の空白を埋める詩人の全体像にせまるものである。


〈著者略年譜〉
尹 東柱(ユン・ドンヂュ)

1917年、当時の中華民国東北部(満州)間島省に生まれる。
1938年、ソウルの延禧専門学校文科へ入学。
1941年、同校卒業。卒業記念として19篇の自選詩稿集『空と風と星と詩』を3部作成。
1942年、渡日し、4月、立教大学文学部英文科に入学。10月、同志社大学英文学科に入学。
1943年7月、「独立運動」の疑いで京都下鴨警察署に逮捕される。
1944年4月、治安維持法第五条違反(独立運動)の罪で懲役2年の判決。福岡刑務所に投獄。
1945年2月、福岡刑務所内で獄中死。故郷にて埋葬される。






◆『尹東柱全詩集 空と風と星と詩』 目次◆

凡例
新編に際して
編集の意図

序詩
 I (自選詩稿集『空と風と星と詩』より)
 II (東京・立教大学時代〔1942年〕の詩作品。ソウルの友人が保管。こんにち探すことができる最後の作品)
 III (中学5年~延禧専門学校時代〔37~39年〕までの、「窓」と題された原稿ノートに書かれた童謡、散文、詩作品)
 IV (処女作から中学4年まで〔34~37年〕の「わが習作期の詩でない詩」と題された原稿ノートの作品から「窓」にうつして載せた作品より)
 V(「わが習作期の詩でない詩」から、IVの分と童謡を除く作品)
 VI (前記二冊の原稿ノートの童謡〔少年詩〕を選んで掲載)
 VII (散文)
    *
人と作品・年譜
  「暗黒期の空の星」――白鉄
  「尹東柱の詩」――朴斗鎮
  「東柱兄の追憶」――文益煥
  「人間 尹東柱」――張徳順
  「東柱兄の詩の世界」――鄭炳
  「亡兄の生涯」――尹一柱
尹東柱年譜
尹東柱作品年譜

付録
資料
 ・『特高月報』(1943年12月分)
 ・尹東柱に対する判決文
(他)

時代の朝を待つ―尹東柱の留学から獄死まで――伊吹郷
跋文―日本語訳に寄せて――尹一柱









書 評

(準備中)




◆関連書◆


 『生命の詩人・尹東柱―『空と風と星と詩』誕生の秘蹟』 多胡吉郎 著
  


 『歌集 一族の墓』 金 夏日(キム・ハイル)
  

 『鳳仙花のうた』 李 正子(イ・チョンジャ) 著

 『歌集 沙果、林檎そして』 李 正子(イ・チョンジャ)

 『日本型ヘイトスピーチとは何か』梁 英聖(リャン・ヨンソン) 著

 『ヘイトスピーチはどこまで規制できるか』
 LAZAK(在日コリアン弁護士協会) 編、板垣竜太、木村草太 ほか著

 『#鶴橋安寧―アンチ・ヘイト・クロニクル』 李信恵 著

 『ロマ 「ジプシー」と呼ばないで』 金子マーティン 著

 『父とショパン』 崔 善愛(チェ・ソンエ) 著

 『あの壁まで』 黄 英治(ファン・ヨンチ) 著

 『記憶の火葬――在日を生きる―いまは、かつての〈戦前〉の地で』 黄 英治(ファン・ヨンチ) 著

 『秤にかけてはならない―日朝問題を考える座標軸』 徐 京植(ソ・キョンシク) 著

 『羊の怒る時』 江馬 修 著