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身近な人権問題を国債人権法の視点から見てみると…

(シン) ()(ボン)
友だちを助けるための国際人権法入門


2020年4月下旬刊
A5判並製 158頁
定価 1900円+税
ISBN978-4-87714-486-9 C0032

装丁:桂川潤


●目次
●書評
●関連書




暴力を受けた女性、
奨学金ローンに苦しむ学生、
高校無償化制度から排除された朝鮮学校の生徒、
ネットでのヘイトスピーチに傷つく在日コリアン女性、
公衆浴場の利用を拒否されたアメリカ人、
難民申請中なのに入管施設に収容されたアフガニスタン人……

あなたの周りにも理不尽な扱いを受けて困っている人はいませんか?

あきらめないで。これらは人権問題。

本書では、日本で実際に起きた人権問題を題材に、
〈学ぶ権利〉
〈性暴力から守られる権利〉
〈自己決定権と表現の自由〉
〈差別を受けない権利〉
〈在留資格がなくても国が守るべき外国人の人権〉
などを規定する国際人権法――自由権規約、社会権規約、人種差別撤廃条約、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、難民条約など――を10のケース・スタディでわかりやすく解説。

リアルな社会問題を国際人権法から読み解くコラム6本も収録。

国の管轄下にあるすべての人の人権を守るために!



〈著者略歴〉
申 惠丰

(シン・ヘボン)

1966年東京都出身。1993年ジュネーブ国際高等研究所修士課程修了、高等研究ディプロマ(DES)取得。1995年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、法学博士。青山学院大学法学部・大学院法学研究科教授。NPO法人ヒューマンライツ・ナウ理事長。
【著書】
単著:『国際人権法―国際基準のダイナミズムと国内法との協調〈第2版〉』(信山社、2016年)、『人権条約の現代的展開』(信山社、2009年)、『人権条約上の国家の義務』(日本評論社、1999年)
共著:韓国人研究者フォーラム編集委員会ほか編『国家主義を超える日韓の共生と交流』(明石書店、2016年)、柳原正治ほか編『プラクティス国際法講義〈第3版〉』(信山社、2017年) ほか


(本書刊行時点)






 ◆『友だちを助けるための国際人権法入門』目次


第1章 学ぶ権利を守る―教育のためにもっと予算をあてる国の義務
case1 大学に行くために奨学金を借りざるをえないが、その返済が不安で困っているDさん
第2章 社会保障の切り下げは国の自由ではない―後退禁止原則
case2 子どもがいるのに生活保護の受給額を引き下げられ、困窮しているSさん
第3章 女性の権利の保護―性暴力から守られる権利
case3 会社の上司からセクハラを受け続けた末、レイプ被害を受けたWさん

   
コラム①:人権条約に基づく報告制度と個人通報制度

第4章 民意を踏みにじって強行される基地建設に抗議する権利―自己決定権と表現の自由
case4 沖縄の辺野古新基地建設に反対して抗議運動をし、機動隊員によって強制排除されたUさんと、取材を妨害された新聞記者のRさん
第5章 差別を受けない権利① 国の法令による差別の違法性
case5 朝鮮学校が高校就学支援金制度の対象外になっているため、理不尽な差別だと感じているCさん

   
▶コラム②:在日コリアンの人びとの法的地位と人権

case6 夫婦別姓が認められていないため、夫の姓に改姓せざるをえなかったが、 社会生活上の不利益や自己喪失感に苦しんでいるFさん

   
▶コラム③:人権条約に沿った国内法整備

第6章 差別を受けない権利② 社会生活上の差別を争うには
case7 「外国人お断り」の貼り紙を出している公衆浴場で、入場拒否をされたDさん
case8 街頭でのデモやインターネット上で名指しのヘイトスピーチを浴びせられたLさん

   
▶コラム④:差別禁止法と国内人権機関

第7章
 外国人の人権
―外国人でも、在留資格がなくても、国が守るべき人権がある 
case9 難民認定申請をしているのに、在留資格がないために入管収容施設に収容されたXさん
case10 難民認定申請が不認定となり、その取り消し訴訟を準備していたのに、強制送還されてしまったTさん

   ▶コラム⑤:強制送還と「家族」や「子ども」の保護

   
▶コラム⑥:徴用工や「慰安婦」とされた被害者の人権救済

        
     あとがき







書 評


◆『月刊 イオ』 2020年7月号




◆『読書人』 2020年6月5日









◆関連書◆


 『映画でみる移民/難民/レイシズム』 中村一成 著

 『日本型ヘイトスピーチとは何か――社会を破壊するレイシズムの登場』 梁 英聖(リャン・ヨンソン) 著

 『ヘイトスピーチはどこまで規制できるか』
 LAZAK(在日コリアン弁護士協会) 編、板垣竜太、木村草太 ほか著

 『#鶴橋安寧―アンチ・ヘイト・クロニクル』 李信恵 著

 『ロマ 「ジプシー」と呼ばないで』 金子マーティン 著

 『歌集 彷徨夢幻』 李 正子(イ・チョンジャ)

 『鳳仙花のうた』 李 正子(イ・チョンジャ) 著

 『歌集 沙果、林檎そして』 李 正子(イ・チョンジャ)

 『父とショパン』 崔 善愛(チェ・ソンエ) 著


 『歌集 一族の墓』 金 夏日(キム・ハイル)
  

 『記憶の火葬――在日を生きる―いまは、かつての〈戦前〉の地で』 黄 英治(ファン・ヨンチ) 著

 『秤にかけてはならない―日朝問題を考える座標軸』 徐 京植(ソ・キョンシク) 著

 『羊の怒る時』 江馬 修 著