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「こんなのおかしくない?!」と思ったら、国際人権法をチェック!


(シン) ()(ボン)
私たち一人ひとりのための国際人権法入門

2024年9月下旬刊
A5判 並製 165頁
定価 1900円+税
ISBN978-4-87714-501-9 C0032

全国学校図書館協議会選定図書


●目次
●書評
●関連書




本で近年実際に起きた事件や人権問題をケーススタディで取り上げ、生きがたさや理不尽さの要因を国際人権法の視点から考察。

・奨学金の返済に苦しむ学生 (自殺の動機にも)
・恐怖で抵抗できず性暴力を受けた女性 (刑法改正で加害者処罰が可能に)
・所属事務所の社長からの性暴力に耐え続けたタレント (「ジャニーズ事務所事件」)
・「家事やってほしければ俺くらい稼いで来い」と夫に言われ、離婚を考える女性(性別役割分担と女性差別)
・民族差別的な文書を会社内で配布され、苦痛を感じる在日コリアン女性 (「フジ住宅裁判」)
・DV被害で警察に相談したら入管に収容され、その後体調が悪化して亡くなってしまったスリランカ人女性 (「ウィシュマさん事件」)
・輸出規制に違反したとの事件を捏造されて逮捕され、執拗に自白を強要された会社の社長 (「大川原化工機事件」)

さらに、「ビジネスと人権」など国際人権法を実社会に生かすために役立つコラム7本を収録。
「こんなのおかしくない?!」と思ったとき、国際人権法はあなたを守る味方になってくれるかもしれません。
前著『友だちを助けるための国際人権法入門』につづく、国際人権法を実践的に使いこなすためのガイドブック第2弾!

国には、人権条約上、
〝管轄下にあるすべての人〟の人権を保障する義務があります!




〈著者略歴〉

申 惠丰
(シン・ヘボン)

1966年東京都出身。1993年ジュネーブ国際高等研究所修士課程修了、高等研究ディプロマ(DES)取得。1995年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、法学博士。青山学院大学法学部・大学院法学研究科教授。
【著書】
単著:『友だちを助けるための国際人権法入門』(影書房、2020年)、『国際人権入門―現場から考える(岩波新書、2020年)、『国際人権法―国際基準のダイナミズムと国内法との協調〈第2版〉』(信山社、2016年)、『人権条約の現代的展開』(信山社、2009年)、『人権条約上の国家の義務』(日本評論社、1999年)
共著:申惠丰編『新国際人権法講座―国際人権法学会創立30周年記念』第4・5巻(信山社、2023~24年)、中川慎二ほか編『インターネットとヘイトスピーチ―法と言語の視点から』(明石書店、2021年)、柳原正治ほか編『プラクティス国際法講義〈第3版〉』(信山社、2017年) ほか

●コラム執筆 : アンドレア・シェンバーグ
人権に関するグローバル・ビジネス・イニシアチブ〔Global Business Initiative on Human Rights, GBI〕会長。

●コラム執筆 : ブレッシング佳純
サステイナビリティ・ビジネスと人権エキスパート。


(本書刊行時点)






 ◆『私たち一人ひとりのための国際人権法入門』目次


第1章 学ぶ権利を守る―教育のために予算充てる国の義務
case1 大学に行くために奨学金を借りたが、返済のめどが立たないAさん

第2章 同意のない性交は犯罪―性暴力被害の実情に応じた2023年の刑法改正
case2 抵抗して殺されたら、という恐怖で逆らえないまま、意に反する性交をさせられてしまったBさん

   
コラム①:人権条約に基づく報告制度と個人通報制度


第3章 
ビジネスと人権―性的搾取の上に成り立つビジネスは許されない
case3 タレント事務所の社長から性暴力を受けたものの、タレントとして仕事を得るために黙って耐えていたCさん

   
コラム②:企業の人権尊重責任は国家から独立したもの……アンドレア・シェンバーグ

   
コラム③:責任ある企業行動として求められる人権デュー・ディリジェンスとは
                               ……ブレッシング佳純
   コラム④:自分の身体を守るための性教育は、人権教育の一環


第4章 家事労働のかたよりと女性の権利―経済的・社会的平等と家事労働分担は車の両輪
case4 「家事をやってほしければ俺くらい稼いで来い」と夫に言われるDさん

第5章 
民族的差別を受けない権利―会社による差別をやめさせるには
case5 中国人や朝鮮・韓国人を侮蔑する暴言や文書配布が社内でくり返され、そのような職場環境に苦痛を受けている在日コリアンの社員Eさん

   
▶コラム⑤:差別禁止法と国内人権機関

   
▶コラム⑥:公人によるヘイトスピーチや差別発言の問題性


第6章 
外国人の人権―外国人でも、在留資格がなくても、国が守るべき人権がある
case6 在留資格を失ったために入管収容施設に収容された後、体調を悪化させ、病院に連れて行ってももらえずに死亡してしまったFさん

第7章
 
刑事手続における人権―経済安保の名による人権侵害 
case7 生物兵器に転用可能な機械を許可なく輸出したとして逮捕・起訴され、否認したために約11か月間も勾留された会社社長のGさん

   ▶コラム⑦:ジェノサイドを防止するすべての国の義務







書 評


(準備中)








◆関連書◆


 友だちを助けるための国際人権法入門』 申 惠丰 著

 『映画でみる移民/難民/レイシズム』 中村一成 著

 『日本型ヘイトスピーチとは何か――社会を破壊するレイシズムの登場』 梁 英聖(リャン・ヨンソン) 著

 『ヘイトスピーチはどこまで規制できるか』
 LAZAK(在日コリアン弁護士協会) 編、板垣竜太、木村草太 ほか著

 『#鶴橋安寧―アンチ・ヘイト・クロニクル』 李信恵 著

 『ロマ 「ジプシー」と呼ばないで』 金子マーティン 著

 『歌集 彷徨夢幻』 李 正子(イ・チョンジャ)

 『鳳仙花のうた』 李 正子(イ・チョンジャ) 著

 『歌集 沙果、林檎そして』 李 正子(イ・チョンジャ)

 『父とショパン』 崔 善愛(チェ・ソンエ) 著


 『歌集 一族の墓』 金 夏日(キム・ハイル)
  

 『記憶の火葬――在日を生きる―いまは、かつての〈戦前〉の地で』 黄 英治(ファン・ヨンチ) 著

 『秤にかけてはならない―日朝問題を考える座標軸』 徐 京植(ソ・キョンシク) 著