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キム ソヨン 著/吉仲貴美子・梁玉順 訳/解説:仲村修
ミョンヘ
シリーズ:YA! STUND UP
【対象:中学生から大人まで】 ※中1以上の学習漢字にルビ
ISBN978-4-87714-488-3 C8097
2021年3月刊 四六判並製236頁 \2200

舞台は民族独立運動に沸く朝鮮。家父長的で男尊女卑の価値観が根強く残る一方で近代化の波が押し寄せるなか、悩みながらも時代の制約をのりこえ、旧習に立ち向かって医師になる夢を育てていく少女を描く韓国のYA小説の傑作。第11回チャンビ「すぐれた子どもの本」創作部門大賞受賞作!




イ ヒョン 著/下橋美和 訳/解説:徐台教
あの夏のソウル
シリーズ:YA! STUND UP
ISBN978-4-87714-482-1 C8097
2019年3月刊 四六判並製310頁 \2200

「ある人は、それをイデオロギーだといい、ある人は祖国だといった。鳳児(ポンア)にはどちらも、それは夢と同じ意味だった。」
1950年に始まった朝鮮戦争下、南へ北へと戦線が動くたびにソウルの統治者は入れ替わり、人々は生きるための選択を迫られる。やがて激しい空爆が始まるが…。きびしく非情な現実を懸命に生きた子どもたちの選択とは。胸を打つ韓国YAの名作。『1945,鉄原』の続編。




金 重明
小説 日清戦争――甲午の年の蜂起
ISBN978-4-87714-481-4 C0093
2018年12月刊 四六判上製 2段組 520頁 \3600

「文明と野蛮の戦争」と言われた日清戦争で、日本は何を目的に誰と戦い、何を奪ったのか。主戦場となった朝鮮の民衆にとって、この一連の「戦争」とは何だったのか。日本の出兵の発端となった東学農民たちの闘いを主軸にすえ、朝鮮・日本・清の三者の視点から世界初の近代戦争とされる日清戦争の実像を捉え直し、『坂の上の雲』の「司馬(遼太郎)史観」をくつがえす。最新の研究成果をふまえた感動のスペクタクル歴史巨篇。




イ ヒョン 著/梁玉順 訳/解説:仲村修
1945,鉄原
シリーズ:YA! STUND UP
ISBN978-4-87714-476-0 C8097
2018年3月刊 四六判並製357頁 \2200

1945年8月15日、日本の植民地支配からの解放の日、朝鮮半島で人びとはなにを夢見ただろうか――。朝鮮半島のほぼ中央に位置する街・鉄原(チョロン)。解放直後の混乱のなか不穏な事件が次々と起こり、街に動揺がひろがる。そんななか、事件の真相を探るために3人の若者が38度線を越え京城(現ソウル)へと向かうが……。深く静かな感動を呼ぶ韓国YA小説の傑作。




目取真俊
眼の奥の森

ISBN978-4-87714-472-2 C0093
2017年5月刊 四六判並製 221頁 \1800

米軍に占領された沖縄の小さな島で、事件は起こった。
少年は独り復讐に立ち上がる――
深い悲しみ・憎悪・羞恥・罪悪感……
戦争で刻まれた記憶が、60年の時を超えてせめぎあい、響きあう。
魂を揺さぶる連作小説。



目取真俊
虹 の 鳥

ISBN978-4-87714-471-5 C0093
2017年5月刊 四六判並製 220頁 \1800

「そして全て死に果てればいい。」――
基地の島に連なる憎しみと暴力。それはいつか奴らに向かうだろう。その姿を目にできれば全てが変わるという幻の虹の鳥を求め、夜の森へ疾走する二人。鋭い鳥の声が今、オキナワの闇を引き裂く――救い無き現実の極限を描く傑作長篇。




小原巳恵子
瓦 解
ISBN978-4-87714-448-7 C0093
2014年8月刊 四六判上製270頁 \1800

敗戦とともに、楽しかった家族は無残に離散。戦後、舞台女優の道をひたすら歩むが、愛した男の裏切りと娘を抱えての離別。新たな人生で出会った男との幸せな日々は、彼の脳腫瘍の死で断ち切られる。その鮮烈な人生を描く連作短篇小説5篇。




内田謙二
チャオとの夜明け
ISBN978-4-87714-440-1 C0093
2013年10月刊 四六判上製301頁 \1800

「僕は今でも思う。僕のヨーロッパでの生活がこの東洋女性で始まったことは幸運だった。」――1960年代末、まだ限られた者しか海外へ渡れなかった時代、息のつまる日本を脱出し渡欧した著者が、様々な人種、民族が行き交うパリの街で暮らすなかで経験した出来事、遭遇した異文化、忘れがたき人びとへの思いを、独自の文体で作品化した短篇集(全6篇)。「VIKING」誌所載。



目取真俊短篇小説選集1

魚群記


ISBN978-4-87714-431-9 C0393
2013年4月刊 四六判並製 330頁 \2000

単行本『目取真俊初期短篇集 平和通りと名付けられた街を歩いて』(小社刊)収録の5篇(「魚群記」「マーの見た空」「雛」「平和通りと名付けられた街を歩いて」「蜘蛛」)に新たに3篇を加えた、著者20代の鮮烈な初期作品集(全8篇、うち単行本未収録作品2篇)。



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目取真俊短篇小説選集2

赤い椰子の葉


ISBN978-4-87714-434-0 C0393
2013年7月刊 四六判並製 386頁 \2000

不本意な生をもたらしたものは戦争か、人間か。記憶は時を超えて闇の底から突如としてよみがえり、生者に問いかける。「水滴」、「軍鶏(タウチー)」、「魂込め(まぶいぐみ)」、等、90年代の代表作を含む傑作13篇を収録。(単行本未収録作品6編)



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目取真俊短篇小説選集3

(うむ)(かじ)(とぅ)連れ(ちり)(てぃ)

ISBN978-4-87714-437-1 C0393
2013年11月刊 四六判並製 約365頁 \2000


人間の悲しみ、恐れ、不安、屈折、憎悪、残虐さをも剔抉する作家の視線の先にあるものは――。表題作「面影と連れて」、「群蝶の木」、「伝令兵」等、90年代末から最近作までの、魂を揺さぶる12篇を収録。(単行本未収録作品4編)





吉野初枝
沖縄に散った夫と遺児と倶に生きた戦後
ISBN978-4-87714-435-7 C0093
2013年6月刊 四六判上製173頁 \1800

愛する夫を沖縄の戦場に送り、乳飲み子と病弱の家族を抱えた「銃後」と敗戦後の日々。疎開、空襲、物資の窮乏――追い込まれる生活の中で主人公はいかなる道を歩んだか。九十五年の生涯をつらぬく痛恨と愛と反戦の異色の記録小説。




中山茅集子
魚の時間
ISBN978-4-87714-408-1 C0093
2010年8月刊 四六判上製344頁 \2000

「かつて、全身に浴びた負け戦の傷も六十五年経った今では褐色のカサブタとなったが、或る日、ふいにカサブタが剥がれ落ちて血をみる。つかの間の老いの華やぎに迷いこむイクサの証しを、これまでも、これからも抱きかかえて書くしかないと思い決めている。」(―あとがきより) 戦争という原体験から紡がれるエロスと幻想の世界。 『かくも熱き亡霊たち』、『潮待ちの港まんだら』の著者による待望の自選短篇集。



福本信子
やさしい人
ISBN978-4-87714-387-9 C0095
2008年10月刊 四六判上製368頁 \1800

年を重ねてもユーモアを忘れない姑との、苦しくも憎めない介護の日常や、鈴虫の鳴き声に魅せられた夫、会社勤めを辞めバーを開店させた息子らとの生活。折々の暮らしをユーモラスに描いたエッセイと短篇小説を収める。前著『獅子文六先生の応接室』につづく作品集。



せと たづ
 サ グ ラ ダ フ ァ ミ リ ア
聖家族教会
ISBN978-4-87714-381 C0093
2008年2月刊 四六判 256頁 \1800

「聖家族教会――天と地の間に、毅然として立つ人間の姿そのものを象徴するかのように屹立する塔の群れ。その先端の天空に向かって、癒しと、友愛と、そして限りなく希望に満ちた鐘の音を打ち鳴らすのは神ではない。ぼくたち、そう、人類自身なのだ。」(本文より) 前作『風が行く場所』に続き癒しと友愛を描いた小説集。



磯貝治良
夢のゆくえ
ISBN978-4-87714-375-6 C0093
2007年10月刊 四六判304頁 \2500

太平洋の内海に面する小さな町で、戦中、戦後、そして高度経済成長期を経てもなお決して断ち切れない“飢餓感”から逃れようとするかのように生きてきた人々の物語「夢のゆくえ」等、短篇小説6篇を収録。意欲的な文体・方法・題材を駆使して描き出された鮮烈なもうひとつの「戦後史」。【収録作品:「テハギは旅人のまま――」「弾のゆくえ」「夢のゆくえ」「きちげあそび」「最後の電話」「流民伝」】


目取真俊初期短篇集
平和通りと名付けられた街を歩いて

ISBN4-87714-305-X C0093
2003年10月刊 四六判上製236頁 \1800
[品切]
※本書収録の作品は全て、目取真俊短篇小説選集1『魚群記』に再録されています。


認知症をわずらいつつもなお沖縄戦の痛苦を告発する老女を描いた表題作と、パイン工場への出稼ぎ台湾人女工と少年との交流を通して沖縄の加害性を問う「魚群記」、ほか三篇を収録。理不尽な死と生を強いられた無告の民衆たちの魂(マブイ)の声を内面深く描く著者二十代の鮮烈な初期作品世界。
収録作品:「魚群記」/「雛」/「蜘蛛」/「平和通りと名付けられた街を歩いて」/「マーの見た空」




糟屋和美
糟屋和美短篇集 泰山木の家
ISBN4-87714-309-2 C0093
2003年9月刊 四六判上製253頁 \1800


「今度糟屋さんの小説をまとめて読み、長年書き続けた成果が堅固なワールドを築いていることに気付いた。(略)さりげない書き出しと、企みの面白さに誘われ、共にスリップしていく底に、きらきらするドラマが待ち受けるのだ。」(中山茅集子「跋文」より)



せと たづ
 
風が行く場所
2000年11月刊 四六判246頁 \1800 
[品切]

夫と死別した多感な女性の内面の愛と孤独、遥か遠い前生の激しい愛の記憶への旅を描いた表題作の他に、東北地方の片隅で自らの内面をみつめつつ成長する主人公・晶子の、愛による魂の浄化と高揚を描いた中篇を併録。




清水昭三
 
夜明け前の物語
2000年1月刊 四六判296頁 \2200 [在庫僅少]

明治維新、そして敗戦―これら近代日本にとっての最大の歴史的経験は、真の黎明たりえたか。明治と現代を往還しつつ日本と朝鮮の関係を中心に近代日本を俯瞰し、苦闘する人間像をいきいきと描いた長編小説。




簾内敬司
 
涙ぐむ目で踊る 『千年の夜』第二部 [在庫僅少]
1997年9月刊 四六判208頁 \2000

前作『千年の夜』で「高度成長」下の日本社会の裏面とムラ社会の閉塞性・排他性を、詩的感性に裏打ちされた文体で描ききり、本格的社会派作家の誕生と朝日新聞他各紙誌で絶賛され、深い感動を呼んだ連作小説。藤田省三氏推薦。




増山たづ子 語り 鈴木暹 編 
まっ黒けの話―徳山村の昔話
1993年10月刊 四六判200頁 \1800  [在庫僅少・美本切れ]

ダムに沈むふるさとを「ピッカリコニカ」で撮りつづけ、写真集『ありがとう徳山村』にまとめた著者は、一方で500巻ものテープにヒトと動物にまつわる昔話・笑話・伝説・世間話を収めた。独特の語り口の昔話集。




谷口 潮
みかえり阿弥陀
1993年9月刊 四六判242頁 \2000  [在庫僅少・美本切れ]

ガンで命運を自覚しつつ、京都・永観堂に妻と“みかえり阿弥陀”に会いに行く悲痛な、しかし「人の死もまた、新たないのちへの出立」と感ずる主人公を描き、人間のあるべき姿への必死の探求を試みた表題作のほか3篇を収録。




山田なつみ
恐れ舟夢幻
1993年5月刊 四六判214頁 \1800  [在庫僅少]

宝暦(1751-63)の飢饉の折の民衆の苦難と抵抗と死を津軽の言い伝えをもとに描いた表題作と、津軽昔話・異類婚説話にもとづく悲劇を小説化した「むじなの花嫁」他1篇収録。久保田正文=山田さんの作品には、津軽林檎の感触がある。




木下順一
人  形
1992年12月 四六判244頁 \1800 [品切]

“性”と“障害”という人間にとっての痛切な問題に、親・家族・当事者等のさまざまの角度から迫り、否応なしに切迫した関係に陥らざるを得ない悲哀を洗練された文体で描いた表題作ほか、「壁の画」「来訪者」「玄花」等7篇収録。




望田市郎
赤い風車劇場の人々―新宿かげろう譚
1992年12月刊 四六判314頁 \2200 [在庫僅少・美本切れ]

かつて親しみやすい文化のシンボルとして、新宿ムーランルージュは輝いていた。――あの赤い風車劇場をモデルに戦争という苛酷な激流に巻き込まれてゆく庶民群像を描いて熱い共感を呼ぶ短編連作10篇収録。




中山茅集子
かくも熱き亡霊たち―樺太物語 [在庫僅少]
1991年8月刊 四六判278頁 \1800

井上光晴=赤い落日の蔭に横たわる断崖に似た生きざまこそが、「かくも熱き」想像力を生みだしたのである。ありきたりの物語ではなく、地平の彼方に蹲る人間の血肉をすするように中山芽集子は描く。(推薦文より)




孟偉哉孟慶江  宮岸雄介
孫子兵法物語―時代の巻頭言・「告知版」寸言集
1991年4月刊 A5判変型138頁 \1800 【童牛社発行】 
[在庫僅少・美カバー切れ]

敵を知り己を知るなら百戦しても負けることはない。敵を知らずに己のみ知るなら一勝一敗する。敵を知らずに自分のことも知らないなら、戦うたびに必ず負けるであろう。(孫子謀攻篇)世界に知られた孫子の兵法の真髄とは何か。[在庫僅少・美カバー切れ]




北山龍二
北山龍二遺稿集 ココリアの残紅
1990年11月刊 四六判356頁 \2500 [在庫僅少・美本切れ]

若くして世を去った異才の童話作家・小説家の全作品の集成。その打ち震えるがごとき感性のゆらめき、小さき生命へそそぐ愛情と眼差しは、作者がもっとも敬愛した宮澤賢治の世界・宇宙へと通じるものがあろう。序詩=井上光晴




田中順三
開運堂
1990年9月刊 四六判278頁 \1800 
[在庫僅少・美本切れ]

中谷孝雄=田中君は既に立派に独立独歩している作家であり、彼のどの作品もいかにも小説らしい面白さに溢れている。請ふ読者よ、直ちに彼の作品に就いて楽しい時を過ごされんことを。(敍より)古美術界の人間模様を描く15篇。




江馬 修
羊の怒る時
ISBN978-4-87714-034-2 C0093
1989年10月刊 四六判上製264頁 \1800

関東大震災の際、流言蜚語によって多くの朝鮮人が虐殺された。プロレタリア作家の著者が、関東大震災当時の三日間を臨場感をもって描いた記念碑的な記録小説。官憲や一般市民による朝鮮人に関するデマがたちまち広がっていく様がリアルに描かれている。65年ぶりの再刻。




(キム)()(セン)
 ナ グ ネ
旅人伝説
1985年8月刊 四六判232頁 \1600 [在庫僅少・美本切れ]

済州島から5歳で海峡を渡った著者が、異国・日本で見たものは何か。人びととの出会いと別れ、町のたたずまいや風物の陰影を独自の洗練された文体でえがき、在日朝鮮人文学の一極北を築いた自伝的な連作20篇を収録する。




山路愛山 石上良平・石上煕子
人生・命耶罪耶
1985年3月刊 A5判変型228頁 \2500 [在庫僅少・美本切れ]

明治期の民間史家・愛山の自伝的小説と回想録の2篇収録。明治新政府に登用されず没落し挫折した旧幕臣、静岡事件に走った運命の子らを見事な筆致で描いた同時代哀史。政治思想史家及び作家である編者たちの詳細な解説を付す。




 *品切

  簾内敬司  千年の夜 1989・6刊
  吉野初枝  疎開といわれた漂白 1995・2刊