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小  説



≪ 目取真俊の小説



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小原巳恵子
瓦 解
ISBN978-4-87714-448-7 C0093
2014年8月刊 四六判上製270頁 \1800

敗戦とともに、楽しかった家族は無残に離散。戦後、舞台女優の道をひたすら歩むが、愛した男の裏切りと娘を抱えての離別。新たな人生で出会った男との幸せな日々は、彼の脳腫瘍の死で断ち切られる。その鮮烈な人生を描く連作短篇小説5篇。




内田謙二
チャオとの夜明け
ISBN978-4-87714-440-1 C0093
2013年10月刊 四六判上製301頁 \1800

「僕は今でも思う。僕のヨーロッパでの生活がこの東洋女性で始まったことは幸運だった。」――1960年代末、まだ限られた者しか海外へ渡れなかった時代、息のつまる日本を脱出し渡欧した著者が、様々な人種、民族が行き交うパリの街で暮らすなかで経験した出来事、遭遇した異文化、忘れがたき人びとへの思いを、独自の文体で作品化した短篇集(全6篇)。「VIKING」誌所載。




吉野初枝
沖縄に散った夫と遺児と倶に生きた戦後
ISBN978-4-87714-435-7 C0093
2013年6月刊 四六判上製173頁 \1800

愛する夫を沖縄の戦場に送り、乳飲み子と病弱の家族を抱えた「銃後」と敗戦後の日々。疎開、空襲、物資の窮乏――追い込まれる生活の中で主人公はいかなる道を歩んだか。九十五年の生涯をつらぬく痛恨と愛と反戦の異色の記録小説。




中山茅集子
魚の時間
ISBN978-4-87714-408-1 C0093
2010年8月刊 四六判上製344頁 \2000

「かつて、全身に浴びた負け戦の傷も六十五年経った今では褐色のカサブタとなったが、或る日、ふいにカサブタが剥がれ落ちて血をみる。つかの間の老いの華やぎに迷いこむイクサの証しを、これまでも、これからも抱きかかえて書くしかないと思い決めている。」(―あとがきより) 戦争という原体験から紡がれるエロスと幻想の世界。 『かくも熱き亡霊たち』、『潮待ちの港まんだら』の著者による待望の自選短篇集。



福本信子
やさしい人
ISBN978-4-87714-387-9 C0095
2008年10月刊 四六判上製368頁 \1800

年を重ねてもユーモアを忘れない姑との、苦しくも憎めない介護の日常や、鈴虫の鳴き声に魅せられた夫、会社勤めを辞めバーを開店させた息子らとの生活。折々の暮らしをユーモラスに描いたエッセイと短篇小説を収める。前著『獅子文六先生の応接室』につづく作品集。



せと たづ
 サ グ ラ ダ フ ァ ミ リ ア
聖家族教会
ISBN978-4-87714-381 C0093
2008年2月刊 四六判 256頁 \1800

「聖家族教会――天と地の間に、毅然として立つ人間の姿そのものを象徴するかのように屹立する塔の群れ。その先端の天空に向かって、癒しと、友愛と、そして限りなく希望に満ちた鐘の音を打ち鳴らすのは神ではない。ぼくたち、そう、人類自身なのだ。」(本文より) 前作『風が行く場所』に続き癒しと友愛を描いた小説集。



磯貝治良
夢のゆくえ
ISBN978-4-87714-375-6 C0093
2007年10月刊 四六判304頁 \2500

太平洋の内海に面する小さな町で、戦中、戦後、そして高度経済成長期を経てもなお決して断ち切れない“飢餓感”から逃れようとするかのように生きてきた人々の物語「夢のゆくえ」等、短篇小説6篇を収録。意欲的な文体・方法・題材を駆使して描き出された鮮烈なもうひとつの「戦後史」。【収録作品:「テハギは旅人のまま――」「弾のゆくえ」「夢のゆくえ」「きちげあそび」「最後の電話」「流民伝」】



糟屋和美
糟屋和美短篇集 泰山木の家
ISBN4-87714-309-2 C0093
2003年9月刊 四六判上製253頁 \1800


「今度糟屋さんの小説をまとめて読み、長年書き続けた成果が堅固なワールドを築いていることに気付いた。(略)さりげない書き出しと、企みの面白さに誘われ、共にスリップしていく底に、きらきらするドラマが待ち受けるのだ。」(中山茅集子「跋文」より)



せと たづ
 
風が行く場所
2000年11月刊 四六判246頁 \1800 
[品切]

夫と死別した多感な女性の内面の愛と孤独、遥か遠い前生の激しい愛の記憶への旅を描いた表題作の他に、東北地方の片隅で自らの内面をみつめつつ成長する主人公・晶子の、愛による魂の浄化と高揚を描いた中篇を併録。




清水昭三
 
夜明け前の物語
2000年1月刊 四六判296頁 \2200


明治維新、そして敗戦―これら近代日本にとっての最大の歴史的経験は、真の黎明たりえたか。明治と現代を往還しつつ日本と朝鮮の関係を中心に近代日本を俯瞰し、苦闘する人間像をいきいきと描いた長編小説。




簾内敬司
 
涙ぐむ目で踊る 『千年の夜』第二部
1997年9月刊 四六判208頁 \2000


前作『千年の夜』で「高度成長」下の日本社会の裏面とムラ社会の閉塞性・排他性を、詩的感性に裏打ちされた文体で描ききり、本格的社会派作家の誕生と朝日新聞他各紙誌で絶賛され、深い感動を呼んだ連作小説。藤田省三氏推薦。




増山たづ子 語り 鈴木暹 編 
まっ黒けの話―徳山村の昔話
1993年10月刊 四六判200頁 \1800  [在庫僅少・美本切れ]

ダムに沈むふるさとを「ピッカリコニカ」で撮りつづけ、写真集『ありがとう徳山村』にまとめた著者は、一方で500巻ものテープにヒトと動物にまつわる昔話・笑話・伝説・世間話を収めた。独特の語り口の昔話集。




谷口 潮
みかえり阿弥陀
1993年9月刊 四六判242頁 \2000  [在庫僅少・美本切れ]

ガンで命運を自覚しつつ、京都・永観堂に妻と“みかえり阿弥陀”に会いに行く悲痛な、しかし「人の死もまた、新たないのちへの出立」と感ずる主人公を描き、人間のあるべき姿への必死の探求を試みた表題作のほか3篇を収録。




山田なつみ
恐れ舟夢幻
1993年5月刊 四六判214頁 \1800  [在庫僅少]

宝暦(1751-63)の飢饉の折の民衆の苦難と抵抗と死を津軽の言い伝えをもとに描いた表題作と、津軽昔話・異類婚説話にもとづく悲劇を小説化した「むじなの花嫁」他1篇収録。久保田正文=山田さんの作品には、津軽林檎の感触がある。




木下順一
人  形
1992年12月 四六判244頁 \1800 [品切]

“性”と“障害”という人間にとっての痛切な問題に、親・家族・当事者等のさまざまの角度から迫り、否応なしに切迫した関係に陥らざるを得ない悲哀を洗練された文体で描いた表題作ほか、「壁の画」「来訪者」「玄花」等7篇収録。




望田市郎
赤い風車劇場の人々―新宿かげろう譚
1992年12月刊 四六判314頁 \2200 [在庫僅少・美本切れ]

かつて親しみやすい文化のシンボルとして、新宿ムーランルージュは輝いていた。――あの赤い風車劇場をモデルに戦争という苛酷な激流に巻き込まれてゆく庶民群像を描いて熱い共感を呼ぶ短編連作10篇収録。




中山茅集子
かくも熱き亡霊たち―樺太物語
1991年8月刊 四六判278頁 \1800

井上光晴=赤い落日の蔭に横たわる断崖に似た生きざまこそが、「かくも熱き」想像力を生みだしたのである。ありきたりの物語ではなく、地平の彼方に蹲る人間の血肉をすするように中山芽集子は描く。(推薦文より)




孟偉哉孟慶江  宮岸雄介
孫子兵法物語―時代の巻頭言・「告知版」寸言集
1991年4月刊 A5判変型138頁 \1800 【童牛社発行】 
[在庫僅少・美カバー切れ]

敵を知り己を知るなら百戦しても負けることはない。敵を知らずに己のみ知るなら一勝一敗する。敵を知らずに自分のことも知らないなら、戦うたびに必ず負けるであろう。(孫子謀攻篇)世界に知られた孫子の兵法の真髄とは何か。[在庫僅少・美カバー切れ]




北山龍二
北山龍二遺稿集 ココリアの残紅
1990年11月刊 四六判356頁 \2500 [在庫僅少・美本切れ]

若くして世を去った異才の童話作家・小説家の全作品の集成。その打ち震えるがごとき感性のゆらめき、小さき生命へそそぐ愛情と眼差しは、作者がもっとも敬愛した宮澤賢治の世界・宇宙へと通じるものがあろう。序詩=井上光晴




田中順三
開運堂
1990年9月刊 四六判278頁 \1800 
[在庫僅少・美本切れ]

中谷孝雄=田中君は既に立派に独立独歩している作家であり、彼のどの作品もいかにも小説らしい面白さに溢れている。請ふ読者よ、直ちに彼の作品に就いて楽しい時を過ごされんことを。(敍より)古美術界の人間模様を描く15篇。




江馬 修
羊の怒る時
ISBN978-4-87714-034-2 C0093
1989年10月刊 四六判上製264頁 \1800

関東大震災の際、流言蜚語によって多くの朝鮮人が虐殺された。プロレタリア作家の著者が、関東大震災当時の三日間を臨場感をもって描いた記念碑的な記録小説。官憲や一般市民による朝鮮人に関するデマがたちまち広がっていく様がリアルに描かれている。65年ぶりの再刻。




(キム)()(セン)
 ナ グ ネ
旅人伝説
1985年8月刊 四六判232頁 \1600

済州島から5歳で海峡を渡った著者が、異国・日本で見たものは何か。人びととの出会いと別れ、町のたたずまいや風物の陰影を独自の洗練された文体でえがき、在日朝鮮人文学の一極北を築いた自伝的な連作20篇を収録する。




山路愛山 石上良平・石上煕子
人生・命耶罪耶
1985年3月刊 A5判変型228頁 \2500 [在庫僅少・美本切れ]

明治期の民間史家・愛山の自伝的小説と回想録の2篇収録。明治新政府に登用されず没落し挫折した旧幕臣、静岡事件に走った運命の子らを見事な筆致で描いた同時代哀史。政治思想史家及び作家である編者たちの詳細な解説を付す。




 *品切
  簾内敬司  千年の夜 1989・6刊
  吉野初枝  疎開といわれた漂白 1995・2刊