この本をツイート 

〈装画:李 晶玉〉
★画像クリックで拡大

日本の近代史観を塗りかえる歴史大作

(キム)重明 (チュンミョン)

小説 日清戦争
甲午の年の蜂起


2018年12月10日発売
四六判 上製 520頁(2段組)
定価 3,600円+税
ISBN978-4-87714-481-4 C0093

装丁:桂川 潤


●目次
●書評
●関連書



「古(コブ)の蜂起からのことを思い出してください。民が、おのれの力でこの世をつくり変えたのです」

朝鮮の支配をめぐり対峙する日本と清。
腐敗し統治能力を失なった朝鮮王朝。
背後で蠢く列強諸国……。
貪吏の酷政に蜂起し全羅道をほぼ掌握した全琫準(チョンポンジュン)率いる東学農民軍は、日本の侵略軍に対し、二度目の蜂起に立ちあがった――

「朝鮮の独立」を大義名分とした日清戦争。
その戦端はしかし、日本軍の「朝鮮王宮占領」によって開かれた。
「文明と野蛮の戦争」とされたこの戦争。はたして「野蛮」だったのはどちらか。
日本・清・朝鮮の三者の視点から、近代日本の方向を決定づけた「日清戦争」を多角的に描き、最新の研究成果をふまえつつその本質に迫る1500枚に及ぶ大作。
明治150年。『坂の上の雲』の司馬遼太郎史観を塗り替えるスペクタクル歴史長篇、ついに登場!

●主要登場人物(PDF)



〈著者〉
金 重明 (キム・チュンミョン)

1956年東京都生まれ。
1997年『算学武芸帳』(朝日新聞社)で朝日新人文学賞、2005年『抗蒙の丘―三別抄耽羅戦記』(新人物往来社)で歴史文学賞、2014年『13歳の娘に語るガロアの数学』(岩波書店)で日本数学会出版賞を受賞。

主な著書(上記を除く):『幻の大国手』(新幹社)、『戊辰算学戦記』(朝日新聞社)、『皐(みぎわ)の民』(講談社)、『巨海に出んと欲す』(講談社)、『叛と義と』(新人物往来社)、『悪党の戦』(講談社)、『北天の巨星』(講談社)、『物語 朝鮮王朝の滅亡』(岩波書店)、『13歳の娘に語るガウスの黄金定理』(岩波書店)、『13歳の娘に語るアルキメデスの無限小』(岩波書店)、『やじうま入試数学』(講談社ブルーバックス)、『方程式のガロア群』(講談社ブルーバックス)、『ガロアの論文を読んでみた』 (岩波科学ライブラリー)他

主な訳書:金敏基『キム・ミンギ 韓国民衆歌謡の「希望」と「壁」』(新幹社)、『済州島四・三事件』全4巻(共訳、新幹社)、厳相益『被告人閣下 全斗煥・盧泰愚裁判傍聴記』(文藝春秋)、鄭石華他『シュリ』(文春文庫)、朴商延『JSA』(文春文庫)、キム・ミンギ『地下鉄1号線』(新幹社)、郭景澤『友へ チング』(文春文庫)、イ・チソン『チソン、愛してるよ。』(アスペクト)、チェ・ホヨン『夏の香り』(竹書房)、パク・ヘギョン他脚本『天国の階段』(角川書店)、キム・ヨンヒョン他『宮廷女官チャングム』(PHP研究所)、キム・イヨン他『トンイ』(キネマ旬報社)、キム・ジョンミン他『王女の男』(キネマ旬報社)、チャン・ヨンチョル他『奇皇后』(講談社)、朴永圭『韓国大統領実録』(キネマ旬報社) 他





◆『小説 日清戦争――甲午の年の蜂起』 目次 ◆

第一章 青春寡婦
第二章 饗応
第三章 全州
第四章 牙山
第五章 都所
第六章 開戦
第七章 黄海
第八章 論山
第九章 牛金峙
第十章 潰滅
終 章

  *
あとがき
主要参考文献








書 評




◆『図書新聞』(2019年2月23日号)
評者:林浩治氏(文芸評論家)




◆『東洋経済日報』(2019年1月11日号)







◆関連書◆


 『1945,鉄原』 イ ヒョン 著/梁玉順 訳

 『「韓国からの通信」の時代―韓国・危機の15年を日韓のジャーナリズムはいかにたたかったか』
 池 明観 著

 『あの壁まで』 黄 英治 著

 『生命の詩人・尹東柱――『空と風と星と詩』誕生の秘蹟』 多胡吉郎 著

 『古代朝鮮と万葉の世紀』 朴春日 著

 『韓国歴史紀行』 崔碩義(チェ・ソギ) 著

 『〈日本の戦争〉と詩人たち』 石川逸子 著

 『千鳥ケ淵へ行きましたか』 石川逸子 著

 『あるB・C級戦犯の戦後史――ほんとうの戦争責任とは何か』 富永正三 著

 『金子文子――自己・天皇制国家・朝鮮人』 山田昭次 著