フランスの美しい街トゥールに引っ越してきた12歳の韓国人の少年ボンジュ。
引っ越し先の家の古い机には、
「愛するわが祖国、愛するわが家族 生きぬかなければ」
とハングルで書かれた謎の落書きが。
学校では日本人のトシと親しくなろうとするが、トシはなかなか心を開かない。
やがてトシは、自分の本当の出自をボンジュに打ち明ける――。
朝鮮半島の分断を背景に描かれる友情の物語。
第11回文学トンネ児童文学賞大賞受賞!
カラー挿絵29点も魅力的な韓国のロングセラー、待望の翻訳。
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〈著者・イラストレーター・翻訳者略歴〉
●文 ハン・ユンソブ
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ソウル芸術大学で劇作を、フランスのレンヌ大学で演劇を学ぶ。劇作家兼演出家として活動し、2009年、全国創作戯曲公募展で大賞受賞。これまで発表した戯曲作品には『グッドモーニングパパ』、『万積(マンジョク)の乱』、『ああ! バグダッド』、『オンマ! 地球と遊ぼう』、『後宮 朴嬪(パクピン)』、『クワイエットテーブル』などがある。
第11回文学トンネ児童文学賞大賞を受賞した本作『ボンジュール、トゥール』は著者の初の長編童話。その後、童話『ヘリオット』、『書簡を伝えるこども』、『わが町の伝説』、『チャジャンミョンロケット発射』、『チョン・ウチ伝』などを発表し、『ボンジュール、トゥール』での期待どおり、童話作家としても精力的に活動している。雄鶏のチャールズの視点で人間世界の残酷さを描写した『チャールズ』(2019)を小説と戯曲の形式で同時に発表するなど、作家として幅広い活動を続けている。
●絵 キム・ジナ
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大学で絵画を専攻し、童話の挿絵を中心に活動。これまでの作品に『ふてぶてしいミス』、『記録するということ』、『おまえの夢はなんじゃ?』、『学校に行く道を開拓するんだ』、『うちにはワニが住んでいる』、『ドキドキのペアを変える日』、『パパはいつも一等だったって』などがある。
●訳者 呉華順(オ ファスン)
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東京生まれ。青山学院大学法学部卒業後、韓国の慶煕大学大学院国語国文科修士課程修了。第1回「新韓流文化コンテンツ翻訳コンテスト(ウェブコミック日本語部門)」優秀賞受賞。「韓国文学翻訳新人賞(文化コンテンツ映画字幕日本語部門)」大賞受賞。著書『なぜなにコリア』(共同通信社)。訳書『つかめ! 理科ダマン1〜5巻』(マガジンハウス)、『準備していた心を使い果たしたので、今日はこのへんで』(扶桑社)、『天使たちの都市』(新泉社)ほか多数。共訳書『B舎監とラブレター』『失花』(共に書肆侃侃房)ほか。
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