巻き貝ひとつもらっちゃった。
中で 君に歌ってくれるよ
すてきなこと いっぱい。
僕の心は
水でいっぱい
(ガルシア・ロルカ「巻き貝」より。訳・平井うらら)
詩集『ジプシー歌集』、戯曲『血の婚礼』などで知られる、スペインを代表する詩人であり劇作家・ガルシア・ロルカ。彼の故郷、世界遺産アルハンブラ宮殿のあるグラナダは、イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒、ヒターノと呼ばれるロマといった多宗教・多文化の人々が息づく美しい街――。
すべての人に教育と自由・平等を、と世界一民主的な憲法を掲げたスペイン第二共和制、スペインが理想にあふれていた時代。ロルカは詩やお芝居、得意の音楽などの分野でそのゆたかなイメージをうたいあげ、貧しい人、女性、ロマといった「ちいさな存在」に寄り添い、芸術の力で勇気づけようとしました。
しかしそんなロルカは、スペイン内戦が勃発して間もなく、ファシスト勢力によって拉致され、暗殺されてしまいます。
ロルカ研究の第一人者のイアン・ギブソンと、絵本の原画で世界で高く評価されているハビエル・サバラが、ロルカの生涯を美しい絵本につくり上げました!
日本版には、スペイン語原文を併記。また、著者のイアン・ギブソン氏によるオリジナル・メッセージ「日本の子どもたちへ」を収録(スペイン語原文も併載)。
さらに、「ロルカミニ事典」(写真多数)を付し、ロルカ入門としても、またスペイン語学習のための読み物としても好適です。
訳者の平井うららさんによれば、「ロルカの詩は、読まれるものではなく、歌われるもの」。ぜひスペイン語の音の響きをも楽しみながら、ロルカの美しくも楽しく、ゆたかな詩の源泉に思いを寄せてください。
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フェデリコ・ガルシア・ロルカ Federico García Lorca とは
1898年6月5日~1936年8月19日(享年38)。
スペインの古都グラナダ近郊の村に生まれる。スペインの国民的詩人、劇作家。
詩、演劇、音楽、絵画に関心と才能を示し、画家のサルバドール・ダリ、映画監督のルイス・ブニュエル、詩人のラファエル・アルベルティらと親交を深めた。
1936年8月、スペイン内戦勃発の直後に、CEDA(スペイン独立右翼連合)所属の元国会議員であったルイス・アロンソらによって拉致、銃殺された。
【主な作品】
[詩集]:『ジプシー歌集』『ニューヨークにおける詩人』『カンテ・ホンドの詩』他。[戯曲]:「血の婚礼」「イェルマ」「ベルナルダ・アルバの家」他。
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〈著者〉
●文:イアン・ギブソン(Ian Gibson)
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1939年、アイルランド・ダブリン生まれ。世界的なロルカ研究の第一人者。ロルカに関する著書多数。邦訳された著書に『ロルカ』(ロルカの伝記、1997年、中央公論社)、『ロルカ・スペインの死』(1973年、晶文社)。 |
●絵:ハビエル・サバラ(Javier Zabala)
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1962年スペイン・レオン生まれ。画家ゴッホを題材にみずから文章も書いた絵本『かごの鳥』で、2015年ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)・金のりんご賞受賞、ロルカの詩に絵を描いた『サンティアゴ』で、2008年ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞受賞。 |
●翻訳:平井うらら(ひらいうらら)
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1952年香川県生まれ。同志社大学・立命館大学・龍谷大学講師。早稲田大学第一文学部卒業。京都外国語大学大学院修士課程修了。文学博士(グラナダ大学)。訳書に『ガルシア・ロルカ
対訳 タマリット詩集」(影書房)。共著書に、『ガルシア・ロルカの世界』(行路社)、『スペイン文化事典』(丸善出版)、『マドリードとカスティーリャを知るための60章』(明石書店)他。
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