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★10年ぶり、待望の短篇小説集
目取真 俊 著
魂魄 の道
2023年2月刊
四六判 上製 188頁
定価 1800円+税
ISBN978-4-87714-495-1 C0093
●目次
●書評
●関連書
「忘れ てぃやならんど。」
ヤマトゥでの出稼ぎ先で、主人公は偶然、沖縄戦のさなかにスパイ容疑で父を斬殺した元日本軍部隊長を見つける。何事もなかったように幸福に暮らすかに見えるこの老人に主人公がとった行動とは(「神ウナギ」)。護郷隊に入り米軍支配下にある村内の偵察を命じられた少年は、母から得た「米軍への協力者」の情報を上官に伝えるが……(「斥候」)。
戦争がもたらす傷は、何十年たっても記憶の底からよみがえり、安定を取り戻したかに見える戦後の暮らしに暗い影を差しこんでいく――。
日本の〝捨て石〟にされ激しい地上戦が展開された沖縄では、住民の4人に1人が犠牲となった。
鉄の暴風、差別、間諜(スパイ)、虐殺、眼裏に焼き付いた記憶……。
戦争を生きのびた人びとの変えられてしまった人生。
芥川賞受賞から26年。
現実と対峙しながら〝沖縄戦〟をライトモチーフに書き続ける作家の10年ぶりの短篇集。
沖縄戦の記憶をめぐる5つの物語。
〈著者略歴〉
目取真 俊(めどるま しゅん)
1960年、沖縄県今帰仁村生まれ。琉球大学法文学部卒。
1983年「魚群記」で第11回琉球新報短編小説賞受賞。
1986年「平和通りと名付けられた街を歩いて」で第12回新沖縄文学賞受賞。
1997年「水滴」で第117回芥川賞受賞。
2000年「魂込め(まぶいぐみ)」で第4回木山捷平文学賞、第26回川端康成文学賞受賞。
著書:(小説) 『目取真俊短篇小説選集』全3巻〔第1巻『魚群記』、第2巻『赤い椰子の葉』、第3巻『面影と連れて(うむかじとぅちりてぃ)』〕、『眼の奥の森』、『虹の鳥』、『平和通りと名付けられた街を歩いて』(以上、影書房)、『風音』(リトルモア)、『群蝶の木』、『魂込め』(以上、朝日新聞社)、『水滴』(文藝春秋)ほか。
(評論集) 『ヤンバルの深き森と海より』(影書房)、『沖縄「戦後」ゼロ年』(日本放送出版協会)、『沖縄/地を読む 時を見る』、『沖縄/草の声・根の意志』(以上、世織書房)ほか。
(共著) 『沖縄と国家』(角川新書、辺見庸との共著)ほか。
ブログ:「海鳴りの島から」 http://blog.goo.ne.jp/awamori777
(本書刊行時点)
◆『魂魄の道』 ◆目次◆
・魂魄 の道
・露
・神ウナギ
・闘魚
・斥候
書 評
◆『毎日新聞』 (2023・4・1)より
評者:池澤夏樹 (作家)
◆『琉球新報』 (2023・4・9)より
評者:村上陽子 (沖縄国際大学教授)
◆『週刊読書人』 (2023・4・21)より
評者:砂川秀樹 (文化人類学者)
◆『東京新聞』 (2023・4・29)より
評者:井口時男 (文芸批評家)
◆『ふぇみん』 (2023・5・25)より