この本をツイート 


★画像クリックで拡大

* * *

お客様用チラシ


井戸茶碗の謎はここまで明らかになった!

趙誠主 著/多胡吉郎 訳
井戸茶碗の真実
いま明かされる日韓陶芸史最大のミステリー


2019年8月下旬刊
46判並製197頁(カラー写真9頁)
定価 2500円+税
ISBN978-4-87714-483-8 C0072

装丁:桂川 潤


●目次
●書評他
●関連書



下の名碗、井戸茶碗の謎とは――
日本では国宝ともなった茶碗の王者は、原産地・朝鮮ではどんな器だったのか?
その製作時期、場所、用途など、多角的なアプローチから謎の名碗の真実に迫る。
発掘調査による科学的解析と資料研究、そして土と炎を熟知した韓国人陶芸家の経験が導く、知られざる真実の数々。
日韓陶芸史の闇にあてられた鮮やかな一条の光がもたらす驚きと興奮。
いま、ようやくにして、井戸茶碗はここまで明らかになった!
訳者による現地訪問記「井戸茶碗の故郷を訪ねて」を付す。

千利休ら茶人はもとより、豊臣秀吉を始めとする戦国武将たちを魅了し、日本の国宝にまでなった井戸茶碗。
だが日本に渡ってくる前、朝鮮での正体については謎に包まれてきた。
500年の時を超え、いま蘇る井戸茶碗の真実。

【主な内容】
☆発掘調査が語る、熊川〔ウンチョン〕陶窯址こそが井戸茶碗の故郷と考えられる根拠。
☆梅花皮〔かいらぎ〕、轆轤目〔ろくろめ〕など、特徴的な姿ぶりは、どうして生まれたのか?
☆当時の朝鮮人の器観はどうだったのか? なぜ井戸茶碗は韓国から出土しないのか?
☆井戸茶碗=祭器説は、茶碗の頂点に立つ現在の位相から推測し、当時の朝鮮社会の現実を無視した暴論。
☆著者は半世紀にわたり「高麗茶碗」を製作してきた韓国陶芸界を代表するひとり。国宝「喜左衛門井戸」茶碗を、韓国人陶芸家として初めて手に取り閲〔けみ〕した人でもある。半生をかけた井戸茶碗研究の精華がここに結集。




〈著者〉
趙誠主(チョ・ソンジュ)

陶芸家。1944年、韓国忠清南道瑞山の生まれ。
1967年、延世大学史学科を卒業。その後、陶芸の世界に進み、池順澤氏のもとで作陶修業。韓国ではまだ関心の低かった「茶沙鉢」を極めることを生涯の道と定める。
1975年に独立し、宝林陶苑を開窯。1980年頃より、日本各地で個人展を開催。
1987年、韓国人陶芸家として初めて、大徳寺孤蓬庵で国宝「喜左衛門井戸」茶碗を手に取る。
2007年、大邱市にて韓国で初めての個展開催。また同年より2年間にわたり、韓国の『茶人』誌に『井戸茶碗に対する理解』を連載。


〈訳者〉
多胡吉郎 (タゴ キチロウ)

作家。1956年東京生まれ。
1980年、NHKに入局。ディレクター、プロデューサーとして多くの番組を手がける。1995年、日韓共同制作によるNHKスペシャル「空と風と星と詩 尹東柱・日本統治下の青春と死」を制作。2002年、ロンドン勤務を最後に独立、英国に留まって文筆の道に入る。2009年、日本に帰国。
<著書>
『吾輩はロンドンである』(文藝春秋)、『リリー、モーツァルトを弾いて下さい』(河出書房新社)、『韓の国の家族』(淡交社)、『わたしの歌を、あなたに 柳兼子 絶唱の朝鮮』(河出書房新社)、『長沢鼎 ブドウ王となったラスト・サムライ――海を越え、地に熟し』(現代書館)、『漱石とホームズのロンドン 文豪と名探偵 百年の物語』(現代書館)、『生命の詩人・尹東柱――『空と風と星と詩』誕生の秘蹟』(影書房)他がある。





◆『井戸茶碗の真実』 目次◆

訳者によるプロローグ ここまで来た、実証主義が導く井戸茶碗の謎の解明

序章 現代韓国と井戸茶碗
     蘇る井戸茶碗
     歴史的背景に対する虚実の例

第1章 井戸茶碗の製作時期
     高麗茶碗の登場
     茶会記 記録の虚と実
  製作時期推定の1 茶碗の名前(茶碗銘)による推定
     茶碗と箱書き
     井戸茶碗を所有した茶人たち
  製作時期推定の2 古窯址の陶片から見た製作時期の推定
     粉青沙器時代
     粉青から白磁へ
     軟質白磁と硬質白磁
     井戸茶碗は軟質白磁
     熊川陶窯址の陶片
     井戸茶碗の製作時期は?

第2章 井戸茶碗の製作地
     日本人の提唱した産地説
     韓国人の提唱した窯址説
     井戸茶碗の窯址が容易に発見されない理由
     熊川窯址が注目される理由
     熊川窯址は井戸茶碗の窯址

第3章 井戸茶碗の用途
     井戸茶碗の用途に対する論議
     柳宗悦の雑器説
     鄭棟柱の鉢盂説
     申翰均の祭器説

第4章 井戸茶碗=祭器説の問題点
  Ⅰ 高台など形態から考える
     井戸茶碗の高台はそれほど狭い高台ではない
     鉄画粉青沙器の高台
     井戸茶碗も重ね焼きする茶碗
     井戸茶碗が祭器であったなら
  Ⅱ 儒教風習から考える
     朝鮮の祭礼文化と祭器
     朝鮮時代の副葬
     朝鮮人の器観
     井戸茶碗が墓から出土しない理由
     井戸茶碗が韓国内に残っていない理由
  Ⅲ 井戸茶碗の約束から考える
     茶沙鉢の見どころと茶碗の約束
     井戸茶碗の約束
     (1)井戸茶碗の高台
     (2)井戸茶碗の枇杷色
       井戸茶碗の胎土
       井戸茶碗と炎
       枇杷色は沙器匠が意図した色相ではなかった
     (3)井戸茶碗の梅花皮
       梅花皮は釉薬縮れ現象の結果物
       井戸茶碗の梅花皮の正体
       井戸茶碗の梅花皮を作為的なものだとすることができない、もうひとつの理由
     (4)井戸茶碗の轆轤目
       多様な轆轤目がつくられた理由
       井戸茶碗の轆轤目は、ただ轆轤目であるだけである
       轆轤目は文様ではない

第5章 井戸茶碗とは何だったのか
     井戸茶碗は祭器ではない
     井戸茶碗は庶民の器
     井戸茶碗の用途は?
     朝鮮の沙器匠
     井戸茶碗は朝鮮時代の名品ではなかった
     井戸茶碗は日本の注文品だったのか?
     井戸茶碗をどのように見ればよいのか?

訳者によるエピローグ 井戸茶碗の故郷を訪ねて~熊川陶窯址訪問記







書 評




(準備中)






◆関連書◆


『生命の詩人・尹東柱――『空と風と星と詩』誕生の秘蹟』 多胡吉郎 著

  『韓国歴史紀行』 崔碩義(チェ・ソギ) 著

  『民族文化財を探し求めて』 慧門(ヘ・ムン) 著

  『古代朝鮮と万葉の世紀』 朴春日(パク・チュニル) 著

『「韓国からの通信」の時代―韓国・危機の15年を日韓のジャーナリズムはいかにたたかったか』 池 明観 著

 『あの壁まで』 黄 英治(ファン・ヨンチ) 著