アジア・太平洋戦争日本人戦死者とは何か


益永スミコ
殺したらいかん
――益永スミコの86年


2010年5月刊
新書判並製78頁
定価 600円+税
ISBN978-4-87714-405-0 C0036


●目次
●書評
●関連書



働運動との出会いにより、〈天皇教〉から平和運動へ――戦時中に大分県の寒村に生まれ、助産師として働きながら子どもを生み育ててきた“まじめ”な一人の日本人女性が、なぜ死刑囚の養母となり、街の辻々に立って平和と人権、民主主義を一人訴えるようになったのか。心揺さぶる瞠目の半世記。
*ビデオプレスのドキュメンタリー映画 『死んどるヒマはない―益永スミコ86歳』 とのジョイント企画出版。


〈著者略歴〉

益永スミコ(ますなが・すみこ)

1923年 大分県大野郡の貧しい農村に生まれる.
祖父母、母親とも幼少期に亡くし、父はわからず、おじらに育てられる.
高等小学校を出てから産婆の学校に通い、産婆になる.
数えの23歳で敗戦.敗戦の翌年に結婚、助産院を開業.
1965年頃、生活のため愛知県の医療法人に助産婦として就職.労働組合と出会う.
組合活動などを通じて視野をひろげ、様々な運動に取り組むようになる.
三菱重工爆破事件を起こした死刑囚と1983年に養子縁組.
一人で街角に立ち、平和・護憲・反公害・死刑廃止等を訴えている.
(本書刊行時点)

[関連書など]
ドキュメンタリー映画 『死んどるヒマはない―益永スミコ86歳』 (ビデオプレス/DVD)
田中伸尚著 『憲法を獲得する人々』 (岩波書店)
山本宗補写真集 『戦後はまだ―刻まれた加害と被害の記憶』 (彩流社)
ふぇみん(2010.9.15号)インタビュー








◆『殺したらいかん』 目次◆

1 〈天皇教〉のころ
  遊びとうた/「女々しさ」/天皇教/産婆になる/戦時の日常/
  農村の生活/疎開者と村の人/敗戦のとき/結婚
  
2 語られない戦争体験

3 競争の時代

4 労働組合の結成
  刈谷豊田病院へ/〝組織〟について考える/労働組合の結成/
  本当の医療のために/信頼と欲/公害反対運動/第二組合
  
5 オルグさんのこと

6 死刑囚の養母になる

  三菱重工爆破事件/養母になる/署名集め
  
7 殺してはいかん
  裁判員制度/死刑制度/Tシャツ訴訟/殺してはいかん/憲法九条の実現を
   *
  「全身運動家」益永スミコさんとの出会い……佐々木有美(ビデオプレス)









書 評



●乱読ぴょん(冠野 文)さんのブログ「乱読大魔王日記」より










◆関連書◆


 『あるB・C級戦犯の戦後史――ほんとうの戦争責任とは何か』 富永正三 著

 『東京大空襲と戦争孤児――隠蔽された真実を追って』 金田茉莉 著

 『金子文子――自己・天皇制国家・朝鮮人』 山田昭次 著

 『〈物語〉の廃墟から――高橋哲哉対話・・時評集1995-2004』 高橋哲哉 著

 『秤にかけてはならない――日朝問題を考える座標軸』 徐京植 著

 『難波大助・虎ノ門事件――愛を求めたテロリスト』 中原静子 著

 『治安維持法下に生きて――高沖陽造の証言』 太田哲男・高村宏・本村四郎・鷲山恭彦 編

 『〈日本の戦争〉と詩人たち』 石川逸子 著


 『千鳥ケ淵へ行きましたか』 石川逸子 著