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★〈新しき明日の来るを信ず〉
碓田のぼる 著
団結すれば勝つ、と啄木はいう
――石川啄木の生涯と思想
2018年4月刊
四六判並製 270頁
定価 2200円+税
ISBN978-4-87714-477-7 C0095
装画:信濃八太郎
装丁:桂川 潤
●目次
●書評
●関連書
「ドン底に落ちた! もがけ、もがけ」
〝生活〟不能の天才意識、死への執着、妻の家出、病気、貧困、ナショナリズム、大逆事件……啄木を〈生きさせた〉ものとは?
1946年、敗戦直後の石炭不足解消のために、北海道・美流渡炭鉱へ石炭増産隊として派遣された著者は、炭住の壁に書かれた啄木の歌をみつけた。
「今日もまた胸に痛みあり。
死ぬならば、
ふるさとに行きて死なむと思ふ」
「地図の上朝鮮国に黒々と墨をぬりつゝ秋風を聞く」
戦争中、異国の地での強制労働に苦しむ朝鮮人労働者の心を支えたであろう啄木とは何者か? ナショナリズムを沸かせた日露戦争、盛り上がる労働運動、朝鮮の植民地化、大逆事件と強権的な社会主義弾圧の衝撃。〝安楽を要求するのは人間の権利である〟(「田園の思慕」)――国家権力の強大化が進んだ明治後期、人としての理想を求めてもがき続けた啄木の生涯と思想に、その短歌、詩、日記、書簡、評論から迫る。
〈著者〉
碓田のぼる (うすだ のぼる)
1928年長野県に生まれる。
現在、新日本歌人協会全国幹事。民主主義文学会会員。日本文芸家協会会員。国際啄木学会会員。
[著書]『渡辺順三研究』(かもがわ出版, 2007年)、『石川啄木――その社会主義への道』(かもがわ出版、2004年)、『占領軍検閲と戦後短歌―続評伝・渡辺順三』(かもがわ出版, 2001年)、『石川啄木と「大逆事件」(新日本新書)』( 新日本出版社, 1990年)ほか。
[歌集]『夜明け前』(長谷川書房)、『列の中』(長谷川書房)、『花どき』(第10回多喜二・百合子賞受賞、長谷川書房)ほか。
書 評
◆『国際啄木学会研究年報』22号(2019)
評者:栁澤有一郎さん
◆『図書新聞』(2018・9・15)
評者:若林 敦さん(長岡技術科学大学教授)
◆『しんぶん赤旗』(2018・9・2)
評者:三枝昂之さん(歌人)
◆『高知新聞』(2018・8・29)
評者:片岡雅文さん(高知新聞)
◆『出版ニュース』(2018・6・下)
◆『山口民報』(2018・6・10)
(自著を語る)
◆『社会新報』(2018・6・6)
評者:田沢竜次さん
◆関連書◆
『金子文子――自己・天皇制国家・朝鮮人』 山田昭次 著
『難波大助・虎ノ門事件――愛を求めたテロリスト』 中原静子 著
『治安維持法下に生きて――高沖陽造の証言』 太田哲男・高村宏・本村四郎・鷲山恭彦 編
『中野重治・堀田善衞 往復書簡 1953-1979』 竹内栄美子・丸山珪一 編
『〈日本の戦争〉と詩人たち』 石川逸子 著
『あるB・C級戦犯の戦後史――ほんとうの戦争責任とは何か』 富永正三 著
『生命の詩人・尹東柱――『空と風と星と詩』誕生の秘蹟』 多胡吉郎 著