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★社会が見過ごしてきた若年女性の困難にいまこそ立ち向かう
仁藤夢乃 編著
当たり前の日常を手に入れるために
性搾取社会を生きる私たちの闘い
2022年9月刊
四六判並製 344頁
定価 2000円+税
ISBN978-4-87714-492-0 C0036
装丁:宜壽次 美智
●目次
●書評・関連記事
●関連書
「行き場のない私に真っ先に声をかけてきたのは、買春者か性搾取業者でした」
日本では、虐待や貧困などで行き場を失い性被害に遭うなどして困っている若年女性が、自分から公的な機関へ助けを求めることは難しく、また公的支援につながったとしても、管理体制の厳しさなどからそこからこぼれ落ちてしまい、多くは自己責任で生き抜こうとしています。
学校や家が安心して過ごせる場でなくなり、渋谷で週5日過ごしていた自身の経験を記した『難民高校生』や、少女を「JKビジネス」に取り込む業者の手口を分析した『女子高生の裏社会』などの著書がある仁藤夢乃さんが代表をつとめる一般社団法人Colaboでは、行き場のない若年女性が性搾取などの危険に取り込まれる前に、繁華街での声をかけ(アウトリーチ)等で彼女たちとつながり、相談や役所などへの同行、一時シェルター、シェアハウスの提供などで、困っている女性を支え、「共にある」活動を行なっています。
また、大きな反響を呼んだ「私たちは『買われた』展」をはじめとする若年女性の性被害の実態を伝える活動では、女子高生を性的に価値の高い商品かのように「JK」と呼び、「児童買春」を「援助交際」と言い換え、「ブランド物ほしさに好きでやっているんだろう」と、児童買春被害を見て見ぬふりしてきた大人社会に、その責任を問うてきました。
本書では、Colaboの11年の活動を振り返りつつ、仁藤夢乃さんによるColaboにつながる女の子へのインタビューや、学校教育や女性福祉の専門家、弁護士、困窮者支援の活動家らと仁藤さんとの対談も収録。Colaboの核にある〈対等な関係性〉や〈当事者主体の活動〉がどのようにして可能になったのかを明らかにします。
〈編著者〉
仁藤 夢乃 (にとう ゆめの)
一般社団法人Colabo代表。1989年生まれ。
中高生時代に街をさまよう生活を送った経験から、行き場のない少女たちへの夜の街でのアウトリーチ、シェルターでの保護や宿泊支援、シェアハウスでの住まいの提供など、10代女性を支える活動を行なっている。
また、虐待や性暴力被害を経験した10代の女性たちとともにアウトリーチや、「私たちは『買われた』展」の開催など、虐待や性搾取の実態を伝える活動も行なっている。
著書に、『難民高校生 絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル』(英治出版・2013年、ちくま文庫2016年)、『女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち』(光文社新書・2014年)ほか多数。
受賞歴として、2015年「エイボン女性年度賞」、日経ビジネス「次代を創る100人」、文藝春秋「日本を代表する女性120人」、日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー「若手リーダー部門」、2019年「Forbes Under30 Asia 2019社会起業家部門」、2021年「国際女性デー | HAPPY WOMAN AWARD 2021 for SDGs」など。
書 評
(準備中)
◆関連書◆
『ミョンヘ』 キム ソヨン 著/吉仲貴美子・梁玉順 訳
『友だちを助けるための国際人権法入門』 申 惠丰 著
『#鶴橋安寧―アンチ・ヘイト・クロニクル』 李信恵 著
『日本型ヘイトスピーチとは何か――社会を破壊するレイシズムの登場』
LAZAK(在日コリアン弁護士協会) 編、板垣竜太、木村草太 ほか著
『一緒に生きてく地域をつくる。』 生活クラブ連合会「生活と自治」編集委員会 編