「とがった口先をしっかりと上流に向け、帰るべき水源の場を目指している親鮭の背」が語っていること。「産卵は個体の終焉、生涯をかけた果ての行為となっても、鮭は狭まる川の急流をかけ上っていくだろう。」(本文より)
子どもの文学が生まれる場所、それは幼年時代の森にある――
北海道に生まれ、戦火をくぐり育った児童文学者が、自らの内にその原郷を探るエッセイ集。
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〈著者略歴〉
富盛菊枝(とみもり・きくえ)
児童文学作家。日本文藝家協会会員。日本女子大学家政学部児童学科卒。
著書:『ぼくのジャングル』(1965年,理論社)、『鉄の街のロビンソン』(1971年,あかね書房)、『子どものころ戦争があった』(共著,1974年,あかね書房)、『わたしの娘時代』(編著,1974年,童心社)、『いたどり谷にきえたふたり』(1985年,太平出版社)、『おやおやべんとうくまべんとう』(1986年,ポプラ社)、『さまざまな戦後 第1集』(共著,1995年,日本経済評論社)、『51年目のあたらしい憲法のはなし』(共著,1997年,洋々社)、『金子みすゞ花と海と空の詩』(共著,2003年,勉誠出版)、『知里幸恵『アイヌ神謡集』への道』(共著,2003年,東京書籍)、『子どもの時のなかへ』(2004年,影書房)他。
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〈カバー・見返し・本文装画(銅版画)〉
三好まあや(みよし・まあや) 版画家。サロン・ブラン美術協会委員。武蔵野美術大学卒。版画家・故荒木哲夫に師事。
インター・グラフィック(東ドイツ1986)、クーバン国際版画ビエンナーレ(ベルギー1989,91)、カダクェス国際版画小品展(スペイン1987,89,90)、クラコウ国際版画ビエンナーレ(ポーランド1988)、カナダ国際グラフィック(1992)、国展新人賞(1994)、CWAJ版画展(アメリカンクラブ東京1995,97)、国展準会員優作賞(2001)、あおもり版画トリエンナーレ(2001,2004)、国画会会員推挙(2002)、台湾国際版画・素描ビエンナーレ(2003)、レセドラ国際版画小品展(ブルガリア2005,2009)、国画会退会(2006)、日仏現代国際美術展会員SBA賞(2012)、サロン・ブラン美術協会委員推挙(2012)、銀座(東京)ボストン(USA)等の個展で作品を発表。
(本書刊行時点)
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