憲法第九条が改廃の危機に直面するいま、その成立過程をつぶさに検証し、「勝者による押し付け憲法」説を反証。侵略・植民地支配という日本の負の遺産をしっかり見据え、改憲派や「自由主義史観」派の欺瞞性を暴きつつ、半世紀を経てなお維持される第九条こそ21世紀へ向けて人類が守るべき普遍的理念であることを明らかにする。オスナブリュック大学(独)での講義録を圧縮・再編し、読みやすく書き下ろした「第九条」物語。韓国語版「序文」とドイツ語版「序文」「あとがき」を増補した決定版。
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〈著者略歴〉
伊藤 成彦(いとう・なりひこ)
1931年、石川県金沢市生まれ。
東京大学文学部ドイツ文学科卒業、同大学院で国際関係論、社会運動・思想史専攻。中央大学名誉教授。文芸評論家。ローザ・ルクセンブルク国際協会代表。
著書:『武力信仰からの脱却』(影書房)、『「近代文学派」論』(八木書店)、『共苦する想像力』、『戦後文学を読む』(ともに論創社)、『反核メッセージ』(連合出版)、『闇に育つ光』(谷沢書房)、『軍隊のない世界へ』、『ローザ・ルクセンブルクの世界』、『軍隊で平和は築けるか』(いずれも社会評論社)、『時評としての文学』、『闇を拓く光』、『東アジア平和共同体に向けて』(ともに御茶の水書房) 他。
訳書:ローザ・ルクセンブルク『ロシア革命論』(論創社)、ローザ・ルクセンブルク『ヨギヘスへの手紙』(共訳、河出書房新社)、パウル・フレーリヒ『ローザ・ルクセンブルク』(御茶の水書房) 他
(本書刊行時点)
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