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1950年代の抵抗と民主主義、その実践と希求

宇野田尚哉、川口隆行、坂口博、
鳥羽耕史、中谷いずみ、道場親信

「サークルの時代」を読む
戦後文化運動研究への招待



2016年12月刊
A5判並製368頁
定価 4200円+税
ISBN978-4-87714-467-8 C0036

装丁:桂川潤

●目次
●書評
●関連書



アジアで朝鮮戦争はじめ、再び"熱い戦争"が起きていた時代、 反戦・平和、抵抗と民主主義を模索する人びとの拠点として「サークル文化運動」が興った。
筑豊、東京南部・京浜、四日市の労働者、広島・長崎の被爆地、結核療養所、都心部の職場で。そこに、上野英信、谷川雁、木下順二、鶴見和子といった文学者や桂川寛といった画家、または政党の文化部などもかかわった。詩・小説・ルポルタージュ・版画・幻灯などの創作を通じ、人びとは集い、話し合い、民主主義を実践していった。朝鮮戦争を背景とする在日コリアンたちの運動も視野に入れつつ、1950年代を中心とした文化運動の多角的な再評価・再検証をこころみる研究論集。論文9本、コラム11本、シンポジウム「サークル誌をどう読むか」の記録を収録。戦後民主主義の黎明期、新しい時代を模索した人びとの姿を浮かび上がらせる。




〈執筆者〉

有薗真代  京都大学非常勤講師。『隔離壁を砦に 国立ハンセン病療養所における集団と実践』(世界思想社、近刊)。
池上善彦  元『現代思想』編集長。『「現代思想」の20年』(以文社)。
宇野田尚哉  大阪大学教員。復刻版『ヂンダレ』『カリオン』(不二出版)解説。
川口隆行  広島大学教員。『原爆文学という問題領域』(創言社)。
楠田剛士  宮崎公立大学教員。『西日本女性文学案内』(共著、花書院)。
黒川伊織  神戸大学国際文化学研究科協力研究員。『帝国に抗する社会運動―第一次日本共産党の思想と運動』(有志舎)。
坂口 博  元創言社編集長。
佐藤 泉   青山学院大学文学部教員。『戦後批評のメタヒストリー 近代を記憶する場』(岩波書店)。
申 知瑛  一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程在学中。
徐 潤雅  大阪大学大学院文学研究科博士後期課程在学中。
竹内栄美子  明治大学文学部教授。『中野重治と戦後文化運動 デモクラシーのために』(論創社)。
田代ゆき  福岡市文学館嘱託員。企画・編著図録『サークル誌の時代 労働者の文学運動      1950–60年代福岡』。
茶園梨加  宮崎大学非常勤講師。『サークル誌の時代―労働者の文学運動1950–60年代福岡』(共著、福岡市文学館)。
坪井秀人  国際日本文化研究センター教員。『感覚の近代─声・身体・表象』(名古屋大学出版会)。
鳥羽耕史  早稲田大学教員。『1950年代 「記録」の時代』(河出書房新社)。
友常 勉  東京外国語大学教員。『脱構成的叛乱 吉本隆明・中上健次・ジャジャンクー』(以文社)。
中谷いずみ  奈良教育大学教員。『その「民衆」とは誰なのか』(青弓社)。
根津壮史  中央大学大学院総合政策研究科博士前期課程修了。
水溜真由美  北海道大学大学院文学研究科教員。『『サークル村』と森崎和江―交流と連帯のヴィジョン』(ナカニシヤ出版)。
道場親信  和光大学教員。『占領と平和―〈戦後〉という経験』(青土社)。〔2016年9月逝去〕
米谷匡史  東京外国語大学・総合国際学研究院教員。『アジア/日本』(岩波書店)。
鷲谷 花  成城大学非常勤講師。『淡島千景 女優というプリズム』(共編、青弓社)。か。






◆『「サークルの時代」を読む』 目次◆

序論 戦後文化運動研究への招待 ……道場親信・鳥羽耕史

第1章 一九四〇年代後半のサークル運動 ――朝職場サークルを中心に …宇野田尚哉
 
  
コラム1 日本美術会と職場美術 ……徐潤雅
第2章 東アジアの「熱戦」とサークル運動
――朝鮮戦争下の抵抗の経験 ……黒川伊織
     
  
コラム2 サークル誌生産の物質的基礎としてのガリ版 ……道場親信

第3章 在日朝鮮人のサークル運動
――大阪朝鮮詩人集団『ヂンダレ』を中心に ……宇野田尚哉
     
  
コラム3 内部者たちの言葉 ……田代ゆき

第4章 東京南部のサークル文化運動
――地域サークルと運動のネットワーク ……道場親信
     
  
コラム4 京浜のサークル運動 ……根津壮史

第5章 被爆地広島のサークル詩誌の軌跡
――『われらの詩』から『われらのうた』へ ……川口隆行
     
  
コラム5 長崎における原爆体験とサークル運動 ……楠田剛士

第6章 サークル誌ネットワークの可能性
――『人民文学』と『新日本文学』から見る戦後ガリ版文化
                                        ……鳥羽耕史
     
  
コラム6 国民文化会議とサークルネットワークの全国化 ……水溜真由美

第7章 「サークル村」に関する私的回想と研究の現状 ……坂口 博

  
コラム7 上野英信とサークルネットワーク ……茶園 梨加

  
コラム8 療養所の詩サークルと工作者たち――大谷浩之と谷川雁 ……米谷匡史

第8章 サークル運動の中の生活記録 …………………………………中谷いずみ

  
コラム9 生存権、コミューン、そして詩――一九五〇年代の療養所サークル……有薗真代
第9章 版画運動とサークル
――北関東版画運動を中心に ……友常 勉
  
  
コラム10 幻灯と戦後サークル文化運動 ……鷲谷 花
  
  
コラム11 「戦後文化運動合同研究会」について ……道場親信
  
第10章 シンポジウム サークル誌をどう読むか 
  
参加者:道場親信(司会)、佐藤泉(発題者)、坪井秀人(発題者)、池上善彦、中谷いずみ、
      
鳥羽耕史、宇野田尚哉、坂口博、川口隆行、黒川伊織、竹内栄美子、水溜真由美、

あとがき
引用・参考文献一覧/文献案内
戦後文化運動略年表(年表「タイトル」欄所載の書籍の書誌情報)
執筆者プロフィール







書 評





●「西日本新聞」 2017年7月5日より










●「図書新聞」 2017年5月27日より







●「週刊読書人」 2017年3月10日より



















◆関連書◆


 『ガリ切りの記』 澤井余志郎著

 戦後文学エッセイ選12 『上野英信集』 上野英信 著

 戦後文学エッセイ選13 『木下順二集』 木下順二 著

 『暗闇の思想を/明神の小さな海岸にて』 松下竜一 著