戦争と決別する道はどこにあるのか?

伊藤成彦
武力信仰からの脱却
――第九条で21世紀の平和を


2003年9月刊
四六判上製298頁
定価 2600円+税
ISBN978-4-87714-308-4 C0031



●目次
●書評
●関連書



事法制の成立とイラクへの自衛隊派遣。戦後の平和憲法体制を根底から破壊する「武力信仰」を徹底批判。憲法第九条の理念を核とした「実践的」評論集。「自分自身を武力信仰から解放しながら、武力信仰の極にある米国政府に対して、理性の回復を!」と呼びかける。姉妹編の前著『物語 日本国憲法第九条』の「実践」編。



〈著者略歴〉

伊藤 成彦(いとう・なりひこ)

1931年、石川県金沢市生まれ。
東京大学文学部ドイツ文学科卒業、同大学院で国際関係論、社会運動・思想史専攻。中央大学名誉教授。文芸評論家。ローザ・ルクセンブルク国際協会代表(
著書:物語 日本国憲法第九条』(影書房)、『「近代文学派」論』(八木書店)、『共苦する想像力』、『戦後文学を読む』(ともに論創社)、『反核メッセージ』(連合出版)、『闇に育つ光』(谷沢書房)、『軍隊のない世界へ』、『ローザ・ルクセンブルクの世界』、『軍隊で平和は築けるか』(いずれも社会評論社)、『時評としての文学』、『闇を拓く光』、『パレスチナに公平な平和を!』(ともに御茶の水書房) 他。
訳書:ローザ・ルクセンブルク『ロシア革命論』(論創社)、ローザ・ルクセンブルク『ヨギヘスへの手紙』(共訳、河出書房新社)、パウル・フレーリヒ『ローザ・ルクセンブルク』(御茶の水書房) 他
(本書刊行時点)






◆『武力信仰からの脱却』 目次◆


はじめに

序章 有事法制は平和憲法体制を根底から破壊する!

第Ⅰ章 武力信仰からの脱却を

  武力信仰からの脱却を
  軍隊で国は守れるか――石橋湛山、幣原喜重郎、ダグラス・マッカーサーの答え
  憲法第九条二項と自衛隊
  日米安保条約の神話と現実

第Ⅱ章 憲法第九条はどこから来て、どのようにして空洞化されたか
  憲法第九条はどこから来たか
  世界から見た憲法第九条
  憲法第九条はどのようにして空洞化されたか?――沖縄・安保条約と天皇
  憲法か安保か、選択のとき

第Ⅲ章 対米軍事協力「新ガイドライン関連法」批判
  「新ガイドライン関連法」が意味するもの
  対米軍事協力「新ガイドライン」法案の背景と実態――九八年参議員選挙を前にして

第Ⅳ章 第九条をめぐるトピックス
  マッカーサー元帥の第九条国際化論
  アメリカに安保条約を提案したのは昭和天皇だった、という重大な疑惑
  憲法第九条と第六六条の意味が改めてわかる
――五〇年前の衆議院・貴族院の憲法討議記録から
  警察予備隊の創設=再軍備ではなかった
――米側戦後史料が示す自衛隊縮小・解体への大きな示唆
  平和への強烈なメッセージ
――沖縄で阿波根昌鴻さんと語る
  憲法施行五〇年を安保破棄・軍縮元年に
   
――豊下楢彦著『安保条約の成立――吉田外交と天皇外交』を読んで思う
  「思いやり予算減額」のまやかし
  チャールズ・オーバービーさんの『地球憲法第九条』
  日米関係の分岐点
――戦争への道連れか、平和への協力か
  マッカーサー記念館を訪ねて
  ユーゴ爆撃
―― 「人道的介入」としての蛮行に戸惑う欧州知識人
  改憲手続きの簡素化を企む小沢一郎の「憲法改正試案」
  「九条護憲」の旗を高く掲げ、改憲阻止の大きな結集を
  「武器なき平和」の気高さと、「武器による平和」の醜さ
  ドイツに広がるユーゴ戦争批判と軍隊不要論

第Ⅴ章  憲法調査会は何をしているか
  憲法調査会のいま
  憲法をめぐる政治状況
  憲法調査会のその後

第Ⅵ章 二〇世紀への反省 二一世紀への展望
  二〇世紀への反省 二一世紀への展望
  「時代閉塞」の世紀末から日本政治変革の道筋を
  原爆投下五〇年目の真実 トルーマンの罪と核廃絶への道
    ――ガル・アルペロヴィッツ教授との対話

終章 有事法制が開示したもの
   ――日本国憲法前文・第九条の人類史的な位置と意味

  あとがき
  初出一覧










書 評

(準備中)









◆関連書◆

 『物語 日本国憲法第九条――戦争と軍隊のない世界へ』 伊藤成彦 著

 『第9条と国際貢献』 勝守 寛 著

No image  『平和憲法を世界に』 平和憲法(前文・第九条)を世界に拡げる会 著

 『時代と記憶――メディア・朝鮮・ヒロシマ』 平岡 敬 著

 『広島の消えた日――被爆軍医の証言』 肥田舜太郎 著

 『隠して核武装する日本』 槌田敦・藤田祐幸他 著、核開発に反対する会 編

 『ヒバクシャ――ドキュメンタリー映画の現場から』 鎌仲ひとみ 著