軍人を父にもち、海軍兵学校に入ることが唯一の人生と思い定めていた軍国少年は、15歳で敗戦を迎える。呆然自失のままその後、慶應大学経済学部大学院に進むが、1949年当時、「戦争」のセの字も語らぬ教授陣に、自分との格闘を覚悟する。ひとりの先輩により政治学への道を示され、<一身にして二生>の人生を歩み始める――。本書は、新聞・雑誌に掲載された文章を集め、人間が人間らしく生き得る条件を模索しつづけた内山の思考が辿れるように構成されている。戦後70年の節目の時、「内山政治学」を問う。年譜と詳細な著書目録を付す。 |
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〈著者紹介〉
内山秀夫(うちやま・ひでお)
1930年、東京市生まれ。
慶応大学名誉教授。元新潟国際情報大学学長。
慶應義塾大学経済学部卒業。同大学院中退。同大学法学部政治学科学士入学。
同大学院法学研究科博士課程修了。
1973~94年、慶應義塾大学法学部政治学科教授。
1988~94年、慶應義塾福澤研究センター所長。
1994~98年、新潟国際情報大学(初代)学長。
2008年、死去。
主な著書:『民族の基層』、『政治と政治学とのあいだ』、『文明としてのヨーロッパ』、『敵国日本―太平洋戦争時、アメリカは日本をどう見たか?』ほか、著訳書多数。
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