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◆文芸雑誌
第三次 季刊

辺 境

〔全10巻〕
井上光晴編集
第三次季刊『辺境』〔全10巻〕 A5判 各巻平均300頁 
各1500円+税 [各巻残部僅少]
※古い雑誌で少々の傷・汚れがあるため、ネット書店では流通ルートに乗りません。そのため、ご注文は一般の新刊書店にてお取り寄せ頂くか、弊社へ直接ご注文下さい。


【各巻目次】


辺境◆
第1号(1986年10月 秋号)

特集1〈連合赤軍事件の現在〉
「瀬戸内寂聴・永田洋子往復書簡」、瀬戸内寂聴「永田洋子への手紙」、「大谷恭子弁護士の最終弁論(抄)」他
特集2〈文学伝習所とは何か〉 松本太吉・伊藤伸太郎・片山泰佑・和田伸一郎・中山茅集子・遠矢政行他
■詩=野間宏(四篇)、谷川雁「不能」、埴谷雄高「木霊」、金明植『帝国の首枷―帝国は果たしてこのままでいいのか 民衆解放1985』
■評論・エッセイ=上野英信「筑豊・万葉の旅―アリラン峠の巻」、小田切秀雄「生活の茫然と衝撃―小熊秀雄・小林秀雄・中野重治と現在」、中野孝次「いま戦後文学とは何か」、森崎和江「先人はいなくとも、今は――若者とインドといのち」、宇井純「東大から沖縄へ――技術の退廃を見て」他
■ルポ=安田陸男(写真・田邉順一)「ルポ・老人病院」、新井優「ルポ・棄老―その今日的」
■紀行=鶴見良行「マルク航海記」
■翻訳=ブルーノ・シュルツ(訳・工藤幸雄)『書物』
■創作=井上光晴『砂』
■名著復刻=杉浦明平「再び『紅楼夢』について」
■連載=石牟礼道子「苦海浄土(第二部)@」
■グラビア+文=石黒健治「AS-IT-ISNESS @ケイローホームの昼食」



辺境◆
第2号(1987年1月 冬号)

特集1〈老後と医療の闇〉
関千枝子「もう一つの老後―母子家庭の場合――“豊かな国”の底辺を行く」、副島洋明「死なせ方――医療の中でともに生きる者の生命を考える」
特集2〈現代演劇の先端〉 蜷川幸雄「深夜の話――闇の中の妄想」
■戯曲=E・フガード他共作『こんな話』
■詩=小野十三郎(五篇)  
■創作=江崎誠致・金容権・河野修一郎他
■評論=木村浩「『収容所群島』の周辺」、土屋哲「差別と文学――南アフリカの場合」、小笠原克「ある無名戦士の肖像――小樽、多喜二の盟友」、鎌田定夫「ヒロシマ・ナガサキ・サセボ――1986年8月のノートから」他
■生活誌=草野実馬「百姓」、草野ふさえ「峡暮らし」
■名著復刻=谷川雁詩集『大地の商人』(全)・解題=丸山豊
■連載=石牟礼道子「苦海浄土(第二部)A」
■グラビア+文=石黒健治「AS-IT-ISNESS A植物の城」



辺境◆
第3号(1987年4月 春号)

特集〈現代作家論〉
 池田晶子「継承者による『埴谷雄高』論」、塩野実「金時鐘論」、岡庭昇「鎖国社会は身体を剥奪する――村上春樹現象なるものについて」
■詩=村松武司編・解説『即身詩集――栗生楽泉園の文学』、丸山豊「帰宅すべき時刻に」、岸マチ子「蛇の話」
■創作=木下史高「白い道」、伊藤伸太郎「影」、吉田典子「二月に」
■評論・エッセイ=高野悦子「第三世界の映画」、岩橋邦枝「恋愛論」、山下智恵子「歴史のクレバスの中で――熊沢光子の場合」、渡部敏行「三十五歳の断想」
■ドキュメンタリー・ルポ=荒井まり子「獄中記」、佐伯輝子「寿ドヤ街の断面図」
■連載=井上光晴『小説の書き方@』、関千枝子「“豊かな国”の底辺を行く――母子家庭の場合」
■グラビア+文=石黒健治「AS-IT-ISNESS Bヨーロッパ冬」



辺境◆
第4号(1987年7月 夏号)

特集1〈日本の暮らし〉
 武田百合子「七月の日記」、秋山駿「団地通信」、工藤久代「現代食卓考」、杉浦明平「渥美折立日記抄」、
特集2〈日中戦争〉 完全版シナリオ=亀井文夫『戦ふ兵隊』 追悼・亀井文夫=土本典昭、楠木徳男、林郁「人びとの国境―アムール断想」、彦坂諦「そらもう、かってにせ!と言うわな―この私の戦争責任とはなにか」
■評論=宮内豊「現代文学の問題―磯田光一『左翼がサヨクになるとき』をめぐって」、益永利明「死刑に抗して」、荒井まり子「益永くんのこと」
■創作=森崎和江「うぶめ飛ぶ頃」
■名著復刻=野間宏詩集『星座の痛み』(解題=篠田浩一郎)
■連載=関千枝子「もう一つの老後―“豊かな国”の底辺を行く」、井上光晴『小説の書き方A』、石牟礼道子「苦海浄土(第二部)B」
■グラビア+文=石黒健治「AS-IT-ISNESS Cニュー遺跡」



辺境◆
第5号(1987年10月 秋号)

特集〈大衆芸能の世界〉
 西村しず代「佐賀にわか師・筑紫美主子の道」、松本太吉「筑豊『芝居』考」、村崎義正「暗闇の芸術」、筑豊文学伝習所「大衆演劇のメッカ―嘉穂劇場」
■竹内好「竹内好の手紙」(上)1936〜1952 松枝茂夫・武田泰淳・家族宛
■評論=工藤幸雄「アンジェイ・ワイダ―今日ここでの真実を求める勇気の軌跡を追って」、亀井トム『狭山裁判探求(上)』、竹之内静雄「歴史の教訓―すこし―アーノルド・トインビーに学んだことなど」、赤石本二「開業日記―わたしが這っている精神医療の道」
■創作=遠矢徹彦「波うちよせる家」、脇川直彦「宇宙への、小さな階段」
■連載=石牟礼道子「苦海浄土(第二部)C」
■グラビア+文=石黒健治「AS-IT-ISNESS D花やしき」



辺境◆
第6号(1988年1月 冬号)

特集〈自分史あるいは他者の記憶〉
 増山たづ子、白井愛、楠山忠之、伊藤ルイ、西成辰雄、チカップ美恵子、日高暢子 他
■追悼・上野英信=再録・1「天皇制の「業担ぎ」として」  2「わがドロツキストへの道」
 追悼=植田和雄「硬山の麓の青春」、真尾悦子「もうひとつの顔」、山福康政「さようなら!上野英信さん」、二宮善宏「その日まで」、本橋成一「どの場所から、どうつき合うのか―上野英信先生のこころ」、「昭「“長い旅”へ」、井上光晴「買いにきた男」、(グラビア)本橋成一「ありし日の上野英信さん」
■創作=簾内敬司「影踏み(連作1)」、佐江衆一「炎と泥の祭」、中山茅集子「自動ドア」
■評論=杉野要吉「中野重治と現代」、亀井トム「狭山裁判探求(下)」
■記録=梶山盛夫「中国戦線従軍医の記録」
■竹内好「竹内好の手紙」(下)1936〜1952 松枝茂夫宛



辺境◆
第7号(1988年5月 夏号)

特集〈私の戦後文学〉
 梅崎恵津「来訪者達」、梅崎史子「日常」、森禮子「椎名麟三、晩年の断片」、岩橋邦枝「野間宏とわたし」、久保田正文「埴谷雄高『構想』のころをめぐって」、日野啓三「廃墟の啓示―私と戦後文学」、木下史高「文体への接近」、武隈喜一「花田清輝論―巨大なる集団的思考」、福島紀幸「長谷川四郎氏と『シベリヤ物語』」、片山泰祐「私にとっての土屋文明」、小笠原克「《唖》の叫ぶ声―山川精詩集『哈爾賓難民物語』」、篠田浩一郎「読み手の変容―戦後文学と現代」、高野斗志美「意志の署名―スタイル、について」、大橋健三郎「解体感覚と全体志向―戦後文学の断絶と持続」
■翻訳=E・M・フォースター(訳・藤田省三)『アビンジャー村の野外劇』
■創作=和田伸一郎「納期」、嶋田和子「魂という薬」
■短歌=藤岡巧「ボストンバッグは膝に乗せ」、勝瀬澄子「風のうちそと」
■韓国の獄中から=徐俊植「上告理由書」(解題・徐京植) 
■連載=簾内敬司「魂の力(連作2)」、佐江衆一「炎と泥の祭A」、石牟礼道子「苦海浄土(第二部)D」、井上光晴『小説の書き方B』
■グラビア+文=石黒健治「AS-IT-ISNESS E地上げとヌード」



◆第8号
(1988年10月 秋号)

特集〈本の特集〉
 『帝国陸軍の最後4』『私のひめゆり戦記』『乃木希典』『私の天皇観』『子どもの目に映った戦争』『あのころはフリードリヒがいた』『ヒア・アンド・ゼア』『白鯨』『青い目がほしい』『ドリアン・グレイの肖像』『ありがとう徳山村』『女たちの猪飼野』『キネマに生きる』『蛙昇天』『幻視のなかの政治』 他
■創作=江崎誠致「呉清源の称号」
■戯曲=定村忠士「悪路王と田村麻呂―荒蝦夷不二の火影」
■詩=岸本マチ子「二十歳の空」、渡辺敏行「痴人の日記・三日間」 
■ルポ=西村しず代「白い太陽―特別養護老人ホームを訪ねる」  
■清話=橋本盛作「無責任な農産物輸入自由化」
■自由席=鈴木康之「近松秋江の風貌」
■シナリオ=井上光晴原作・黒木和雄監督『TOMORROW 明日あした』
■連載=簾内敬司「菩薩花(連作3)、佐江衆一「炎と泥の祭B」
■グラビア+文=石黒健治「AS-IT-ISNESS F祭りが消えた秋」



辺境◆
第9号(1989年2月 春号)

〈創作特集
 志水真樹「ベストカップル」、吉田典子「写真館のある通り」、日野範之「海の声」、磯貝治良「スニの墓」、谷口潮「みかえり阿弥陀」、せつふみみつ「究極の逆転優勝、河内愛子「途中下車」、野羽一雄「まとわりつく輪とその一部」
■詩=大益牧雄「ちょっと待った」
■追悼・北山龍二=遺稿『ハリネズミ』『ココリアの残紅』、河内愛子「北山君のこと」
■評論・エッセイ=楠木徳男「ドキュメンタリーの鉱脈・亀井文夫の生涯」、チカップ・伊賀美恵子「シャモはシサムになれるか」
■連載=佐江衆一「炎と泥の祭C」、石牟礼道子「苦海浄土(第二部)E」、川原一之『土呂久羅漢(上)』(版画・川原由紀子)
■自由席=滝沢秀樹「離別の長春停車場」
■グラビア+文=石黒健治「AS-IT-ISNESS G昭和最後の正月」



辺境◆
第10号(1989年7月 夏号) ⇒品切

橋川文三「橋川文三日記
1949―1951

 ・井上光晴「橋川文三の『日記』について」
■追悼=永山正昭「追悼・林南寿先生」
■評論=藤田省三「『諒闇』の社会的構造」(再録)
■対談=埴谷雄高×瀬戸内寂聴「仏教思想・左翼運動・戦後文学」、黄ル暎×井上光晴「生きる情熱と文学の質」
■戯曲=船木拓「景清」
■連載=佐江衆一「炎と泥の祭D」、石牟礼道子「苦海浄土(第二部)F」、川原一之『土呂久羅漢(下)』(版画・川原由紀子)
■神馬亥佐雄「『明日』の映画監督への私信」
■山川精「私評『中国還魂紀行』(庄幸司郎著)」
■庄幸司郎「井上光晴さんとの30年―『辺境』にかかわっての個人的回想と謝辞」
■井上光晴「詩 長い溝―『辺境』終刊に際して」
■グラビア+文=石黒健治「AS-IT-ISNESS Hアメリカ『平成元年』」