「わたしは来年も果敢に豆を播く」

大場義宏

大場義宏ライト・ヴァース集 2004~2013
―土も空気も満足な水さえないところに



2014年2月刊
A5判上製120頁
定価 2000円+税
ISBN978-4-87714-443-2 C0092



●目次
●書評




「詩
の発見は闘いであり、いわゆるライト・ヴァースも詩であり得る。若き詩人宮澤賢治が表現として、もっと言えば表現手法として手離せなかった童話のように、と。」(あとがきより)
戦後詩に画期的業績を残し早逝した詩人・黒田喜夫の論考で知られる山形在住の詩人による第6詩集。



〈著者略歴〉

大場義宏(おおば・よしひろ)

1942年、山形市に生まれる。
詩集 『ハンスよ』(書肆犀 1986年)
    『腐っている詩』(書肆犀 1987年)
    『言葉の森林浴』(書肆犀 1993年)
    『アウシュヴィッツのポプラ』(書肆犀 1998年)
    『あかるいカメラ』(土曜美術出版販売 2003年)
評論 『「食(くわ)んにゃぐなれば、ホイドすれば宜いんだから!」考
     ――わが黒田喜夫論ノート』(書肆山田 2009年)
    『続/わが黒田喜夫論ノート
     ――試論・「現代詩の現在」の萃点はどこに在ったか』(土曜美術出版販売 2012年)

(本書刊行時点)






◆『豆―土も空気も満足な水さえないところに』 目次◆


草穂群の一

 揮毫
 ぼくのオンブラ・マイ・フ
 浮世
 返信
 粋でクールな仕立物
 夢の生態・その一
 夢の生態・その二
 夢の生態・その三
 夢の生態・その四
 夢の生態・その五


草穂群の二

 物語は酣(たけなわ)ときている
 爽やかな風――記憶のパッチワーク
 スイマー
 履物博物館 a museum of the constitution of japan
 いたいけな里子
 蝉
 半減期
 苦瓜(にがうり)
 匂うこともなければ見えも聞こえもせずに
 無色聲香味觸法批判
 真っさらな紙の挽き唄
 そのように味気ないもの
 あなたは私の墓を消そうと……


草穂群の三

 豆――土も空気も満足な水さえないところに――
 あってはならないことが……
 山の湯
 圧力容器
 色
 時間など素っ飛ばして
 金魚
 あじさゐ
 見えない詩(うた)
 立棺――3・11/おれの「立棺」なら
 とあるソネット――副題「マスク」

 
あとがき









書 評


●「山形新聞」2014年4月16日